SETOUCHI MINKA

香川県・本島の歴史的町並みをぶらり散策。

GO! GO! SETOMIN GIRLS! Stroll through the Historical Streets.

古き良き風情が今も残る「伝統的建造物群保存地区(伝建地区)」。数々の歴史的建造物は観光スポットとしてもはやメジャーだが、歩き方や目の付けどころ次第でさらなる魅力をうかがい知ることができる。はては家づくりのヒントも見つかるかもしれない。瀬戸内エリア各県の伝建地区に秘められた魅力を再発見しに、あらためてゆっくりと散策してみよう。

<取材・文/鎌田 剛史 写真/池田 知英>

この記事を書いたのは…
瀬戸内民家シリーズの雑誌表紙

瀬戸内海沿岸の岡山・広島・山口・香川・愛媛・兵庫各県で家づくりを手掛ける腕利き工務店の情報に加え、瀬戸内の自然や気候風土、歴史、文化といった、瀬戸内で暮らす魅力を発信しています。さらに詳しく>

丸亀市塩飽本島町笠島 伝統的建造物群保存地区

香川県丸亀市 ●種別/港町 ●選定/1985年 ●面積/13.1ha

香川県丸亀市沖に浮かぶ島・本島。近年は「瀬戸内国際芸術祭」の会場として脚光を浴び、多くの観光客が訪れているこの島に、香川県で唯一の伝建地区である「笠島集落」はある。瀬戸内海からの潮風と島の豊かな自然を五感でフルに感じつつ、自転車をこいで島の名所を駆け巡るのも一興だ。今度の休日には少し早起きして、小さな島の町並みを見に行ってみよう。

丸亀市塩飽本島町笠島 伝統的建造物群保存地区ってどんなところ?

大小の島々からなる塩飽諸島の中心ともいえる本島。戦国時代には塩飽水軍が活躍、江戸時代には海運業で栄えた。往時をしのばせる勤番所や古い町並みが残り、歴史情緒あふれる文化財の宝庫として有名。近年は「瀬戸内国際芸術祭」の会場にもなっており、海外からも大勢の観光客が訪れている。丸亀港からフェリーで約35分。詳しくはこちら

本島の町並み見どころ5選

①塩飽水軍本拠地の名残、入り組んだ細い路地。

塩飽水軍の拠点だった本島。廻船問屋の古い建物が軒を連ねる笠島集落は、「東小路」「田中小路」「神社通り」などさまざまな通りが存在。中心となるのが「マッチョ通り」。かつては「町通り」と呼ばれていたそうだが、次第になまって現在の名前になったとか。敵の来襲に備え奥まで見渡せない入り組んだ細い路地が走っている。

②自由奔放なネコたちにほっこり。

集落を歩いていると、軒下などからニャーニャーとネコの愛らしい鳴き声が聞こえてくる。人懐っこいネコが足下にすり寄ってくることも。じゃれあって遊んだり、気持ちよさそうに昼寝したりと自由奔放なネコたちを見ていると、ほんわか癒される。

③塩飽大工の高度な技が光る木造建築。

江戸時代末期から明治にかけ、全国の寺社建築などで活躍した塩飽大工たちが手掛けた建物も見逃せない。梁などを支える補強材「持ち送り」や京都発祥の「むくり屋根」など、日本建築の伝統技術の素晴らしさを体感できる。

④大正時代建築の「吉田邸」

大正時代築の「吉田邸」でも塩飽大工の匠の技が随所に見られる。長さ12mの杉をまるまる1本使った入縁側や、ほこりをたまりにくくする「塵落とし」を施した障子、刀の鍔が埋め込まれた欄間などは必見だ。

【吉田邸】
☎090-8692-1827(吉田 稔さん) 入館料:大人¥300、小中学生¥200 ※見学希望の際は事前予約

⑤自転車で爽快に島を駆け巡る。

島の移動はレンタサイクルが便利。豊かな島の自然と瀬戸内海の潮風を全身に浴びながら気持ちよく走ろう。自転車は本島港で貸出。1台¥500。

瀬戸内各地にある「国の伝統的建造物群保存地区」についてはこちら!

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