SETOUCHI MINKA

行ってみたい!美しい香川県の島。

今、国内外から熱い注目を集めるエリア「瀬戸内海」。日本でも屈指の美しさを誇るロケーションを彩るのは、約700以上もの個性豊かな島々。そこには数多くの観光スポットが存在するとともに、島に住まう人たちの穏やかな暮らしと文化が根付いている。人々が暮らす香川県の多彩な島々を紹介。

<取材・文/鎌田 剛史>

写真/池田 知英
この記事を書いたのは…
瀬戸内民家シリーズの雑誌表紙

瀬戸内海沿岸の岡山・広島・山口・香川・愛媛・兵庫各県で家づくりを手掛ける腕利き工務店の情報に加え、瀬戸内の自然や気候風土、歴史、文化といった、瀬戸内で暮らす魅力を発信しています。さらに詳しく>

瀬戸内海に浮かぶ香川県の有人島24

近年巻き起こっている島巡りブームや、「瀬戸内国際芸術祭」の開催などが追い風となり、国内外から「島旅観光のメッカ」として注目を集めている香川県。24ある有人島は全国で5番目の多さ。「世界の宝石」とも称される瀬戸内海の美しい景観はもちろん、地元住民との心温まるふれあいも島を訪れる大きな魅力だ。

1.伊吹島(いぶきじま)

■観音寺市 ■面積/1.01㎢

周囲を断崖が取り囲む台地状の島。漁業が盛んで、特にイリコの生産は全国に知られ、「伊吹いりこ」は高品質なブランド品として名高い。

写真提供/香川県観光協会

2.粟島(あわしま)

■三豊市 ■塩飽諸島

■面積/3.67㎢

1897年に海員学校が設立され多くの船乗りを輩出。「船乗りの島」と呼ばれた。学校跡地は「粟島海洋記念公園」として整備されている。

写真提供/香川県観光協会

3.佐柳島(さなぎじま)

■多度津町 ■塩飽諸島

■面積/1.83㎢

南北に細長い形。遺体を埋葬する「埋め墓」と、お参りをするための「参り墓」の2つの墓を設ける「両墓制」という珍しい風習が残る。

写真/鎌田 剛史

4.小手島(おてしま)

■丸亀市 ■塩飽諸島

■面積/0.53㎢

塩飽諸島では一番小さい有人島。イカナゴ漁が盛んで、島の特産品として評判が高い。島民の手作りアートが来島者を温かく迎えてくれる。

写真提供/香川県観光協会

5.手島(てしま)

■丸亀市 ■塩飽諸島

■面積/3.41㎢

唐辛子の栽培が盛ん。塩飽の船大工をルーツに持つ大工が手掛けたという立派な和風建築や神社仏閣が多い。夏にはひまわり畑が色鮮やか。

写真提供/香川県観光協会

6.高見島(たかみじま)

■多度津町 ■塩飽諸島

■面積/2.35㎢

島の大半が山で、約25度の斜面に自然石の乱れ積み石垣と民家が建ち並ぶ。島の中心にある竜王山から眺める瀬戸内の景色は◎。

写真/鎌田 剛史

7.志々島(ししじま)

■三豊市 ■塩飽諸島

■面積/0.59㎢

島のシンボルでもある樹齢約1,200年の大楠は県の天然記念物。そのすぐ西側にある「楠の倉展望台」はフォトジェニックなスポットで人気。

写真提供/香川県観光協会

8.広島(ひろしま)

■丸亀市 ■塩飽諸島

■面積/11.72㎢

塩飽諸島で最大の面積を誇る。主要産業は採石業で、古くから花崗岩の一種「青木石」が採掘されている。夏には海水浴客でにぎわう。

写真提供/香川県観光協会

9.牛島(うしじま)

■丸亀市 ■塩飽諸島

■面積/0.84㎢

南北2つの集落にはベンガラの塗料を施した立派な民家が多い。京都の嵯峨野を思わせる竹やぶや、港の沖合にある赤灯台など、写真映えする場所も。

10.本島(ほんじま)

■丸亀市 ■塩飽諸島

■面積/6.75㎢

県内唯一の国の伝建地区「笠島集落」がある。塩飽水軍本拠地の名残があちこちに見られる町並みや、塩飽大工の技が光る建築は一見の価値あり。

11.与島(よしま)

■坂出市 ■塩飽諸島

■面積/1.13㎢

瀬戸大橋のほぼ中央部に位置する島。海峡部唯一のPAがあることから来島者数は全国でも指折りの多さ。島内には3つの集落がある。

写真提供/香川県観光協会

12.小与島(こよしま)

■坂出市 ■塩飽諸島

■面積/0.26㎢

かつて採石業で栄えた小さな島。住民は1世帯のみで、定期航路はない。往時の活況を物語る石切り場の光景は、幻想的な美しさ。

写真/鎌田 剛史

13.岩黒島(いわくろじま)

■坂出市 ■塩飽諸島

■面積/0.17㎢

のんびりとした時間が流れる漁業中心の島。瀬戸大橋上のバス停からエレベーターで上陸する。島民以外の一般車両は入れない。

写真提供/香川県観光協会

14.櫃石島(ひついしじま)

■坂出市 ■塩飽諸島

■面積/0.93㎢

瀬戸大橋のルート上の島ではもっとも岡山県に近い。橋を真下から見上げる絶景スポットも。アクセス方法は岩黒島と同じ。

写真提供/香川県観光協会

15.屏風島(びょうぶじま)

■直島町 ■直島諸島

■面積/0.12㎢

かつてはハマチ養殖や製塩で栄えた島。当時養殖に使われた堤防や水門の跡が現存し、陸続きの無人島・喜兵衛島には古墳時代の製塩遺跡がある。

16.直島(なおしま)

■直島町 ■直島諸島

■面積/7.82㎢

アートの聖地として世界的にも有名な島。島内は主に北部が精錬所のある産業地区、中部が居住地区、南部が美術館などがある文化地区に分かれる。

写真提供/香川県観光協会

17.向島(むかえじま)

■直島町 ■直島諸島

■面積/0.74㎢

直島の向い側にあることが島名の由来。かつては製塩業が盛んだった。住民の大半は直島に通勤しており、商店は1軒もない。

写真/鎌田 剛史

18.豊島(てしま)

■土庄町 ■直島諸島

■面積/14.5㎢

近年は「瀬戸内国際芸術祭」の舞台として脚光を浴びている。美術館やアート作品、豊かな自然など見所が豊富。イチゴの生産も盛ん。

写真提供/土庄町

19.男木島(おぎじま)

■高松市 ■直島諸島

■面積/1.34㎢

高松港の北約1㎞に浮かぶ島。御影石造の「男木島灯台」や、2~3月に見ごろのスイセンの花畑など見所が多く、観光客に人気。

写真提供/香川県観光協会

20.女木島(めぎじま)

■高松市 ■直島諸島

■面積/2.62㎢

鬼が住んだとされる巨大洞窟があり「鬼ヶ島」の愛称でも知られる。民家を守る石垣のオーテや、港に佇むモアイ像も観光ポイント。

写真提供/香川県観光協会

21.大島(おおしま)

■高松市 ■面積/0.62㎢

古くは源平合戦の戦場にもなった静かな島。国立ハンセン病療養所の「大島青松園」があり、入所者が療養生活を送っている。

写真提供/香川県観光協会

22.小豊島(おでしま)

■土庄町 ■直島諸島

■面積/1.10㎢

小豆島と豊島の中間にある。牛の肥育が盛んで、ブランド牛の「小豆島オリーブ牛」のほとんどがこの島で育てられている。人よりも牛が多い。

写真提供/土庄町

23.沖之島(おきのしま)

■土庄町 ■面積/0.18㎢

小豆島から渡し船で約3分の距離にある漁業が盛んな島。この島から花嫁が嫁いでいく姿が「瀬戸の花嫁」のモデルになったという説も。

写真提供/土庄町

24.小豆島(しょうどしま)

■土庄町・小豆島町 

■面積/153.25㎢

香川を代表する観光地のひとつ。温暖で雨が少なく、手延そうめんやしょうゆ、オリーブが特産品として有名。多くの映画やドラマの舞台にもなった。

写真提供/土庄町

<Tips>島民よりもネコの方が多い島「佐柳島」。

写真/鎌田 剛史

多度津港からフェリーで約1時間の「佐柳島」は、ネコが多い島。瀬戸内海には愛媛県の「青島」など、ほかにもネコが多く生息している島があるが、この佐柳島が一躍有名になったのが、堤防の切れ間を飛び越える姿を捉えた「空飛ぶ猫」の写真。SNSなどで拡散されて以来、全国のネコ好きたちが大勢訪れている。

<Tips>恋人たちに天使が舞い降りる島「小豆島」。

写真/池田 知英

「小豆島」にある弁天島と余島を結び、潮の満ち干きにより現れたり消えたりする道が「エンジェルロード」。1日2回、干潮時に海の中から砂の道が現れる不思議なスポット。“大切な人と手をつないで渡れば、砂州の真ん中で天使が舞い降りてきて願いを叶えてくれる”という噂が口コミで広がり、デートスポットとして全国的に有名になっている。

魅力と個性あふれる香川県の島へ行ってみよう。

写真/池田 知英

香川県にはのどかな島時間が流れる魅力的な島がいっぱい。実際に足を運び、瀬戸内の素晴らしい気候風土や、島に住む人の営み・文化などに触れながら、瀬戸内ならではのLiving with Natureを体感しよう。

香川県の離島は、フェリーや定期船などでしか渡ることができないので、帰りの便の出航時間をあらかじめ確認して行動予定を立てよう。また、地元の人たちの生活区域であるため、街などを散策する際にはくれぐれもマナーを守って歩くことも大切。さらに、飲食店や商店、自動販売機のない島もあるので、飲食物を持参する際には事前に購入しておくことも忘れずに。

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