うまい食事には、うまい酒が欲しくなる。多様な食文化を形成している瀬戸内を、ほろ酔い気分で満喫するこのコーナー。そのままでも十分に美味な郷土料理だが、酒の肴としても楽しめるとっておきの瀬戸内郷土料理10選を紹介する。
今回は、香川県の郷土料理をフューチャー。ぜひ、うまい酒を片手に読んでみてほしい。
骨付き鳥
ジューシーでスパイシーな肉にかぶりつく、豪快な幸せ。
香川県で半世紀以上親しまれている郷土料理、骨付き鳥。「おやどり」と「わかどり/ひなどり」という2種類があり、それぞれ「おや」、「わか」と呼ばれている。
「おや」とは卵を産んだことのある鶏の肉のことで、しっかりとしたかみ応えがあり、かめばかむほどうま味が出てくる。長く酒を楽しむにはもってこいだ。反対に、「わか」は生まれて間もない鶏の肉のことを指し、柔らかい肉は非常にジューシー。あふれ出た肉汁には、キャベツやおにぎりを浸して食べるのがツウな食べ方。
肉汁溢れるジューシーな肉、ニンニクのよく効いた塩コショウのスパイシーな味付け、香ばしいパリッとした皮。想像しただけで、どうだろう。もうビールが恋しいのではないだろうか? よく冷えたビールで、ぜひ。
しょうゆ豆
食卓の一品にも、晩酌のお供にもなるオールラウンダー。
お遍路さんをもてなすために出した炒ったソラマメが醤油のつぼに落ちてしまったというハプニングから生まれたと言われている郷土料理がしょうゆ豆。家庭でも居酒屋などの店でも愛される、香川県民のソウルフードだ。
素焼きしたソラマメを、醤油砂糖をベースにした調味液に漬け込んで作る。調味液にトウガラシを入れればピリッと刺激的な味となり、白米も酒もいっそう進むこと間違いなしだ。
おせちに入っている黒豆などの煮豆のような食感を想像してしまうが、他にはないホロッと砕ける食感は癖になる。甘みのある焼酎や、まろやかな口当たりの日本酒でじっくり味わうも良し。スナック感覚で、ホップが効いたビールとつまむも良し。作り方も簡単なので、お気に入りの酒を片手に、オリジナルのしょうゆ豆を作って、「家飲み」時間を充実させてみてはいかがだろうか。
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