うまい食事には、うまい酒が欲しくなる。多様な食文化を形成している瀬戸内を、ほろ酔い気分で満喫するこのコーナー。そのままでも十分に美味な郷土料理だが、酒の肴としても楽しめるとっておきの瀬戸内郷土料理10選を紹介する。
今回は、兵庫県・山口県の郷土料理をフューチャー。ぜひ、うまい酒を片手に読んでみてほしい。
姫路おでん/兵庫県
ショウガ醤油の辛味は、酒が楽しくなる最高のアクセント。
姫路エリアには、2種類のおでんが親しまれていることをご存知だろうか? ひとつは「関東煮(かんとだき)」と呼ばれる、甘く濃厚なだしのおでん。もうひとつは、飲み干すことのできる薄味のだしが特徴のおでんだ。種類の違うこれらのおでんに、ショウガ醤油を付けて食べると…たちまち「姫路おでん」となる。
もともとおでんにショウガ醤油をつけて食べる文化があったとされる兵庫県。そんな中、戦後直後の「闇市」で煮込みすぎて味が薄くなったおでんにショウガ醬油をつけて食べるスタイルが「姫路おでん」として広まったとされている。
すりおろしたショウガと、兵庫県の特産である「濃口醤油」を合わせて作るショウガ醤油は、具材をバウンドさせてもかけても良い。だしの甘みと鼻から抜けるショウガの香り、醤油の甘辛さには、米のうま味が強い純米酒がよく合う。
てっさ/山口県
ほのかな甘みと弾力のある食感は、秋の夜長にもってこい。
てっさとは、山口県でフグの刺身を指し、「鉄の刺身」が省略された言葉。フグの猛毒を鉄砲に見立てて、毒も鉄砲の弾丸も「当たったら死ぬ」ということでこの名前が付いたと言われている。
そんな危険とは対照的に、非常に繊細な甘みがある上品ささえ感じる甘みが特徴。歯応えも独特の弾力があり、かむたびに甘みが出てくる。淡麗で辛口の日本酒と食べると、フグの甘みがより際立つ。ポン酢を付けて食べる際には、フルーティーな香りの日本酒や白ワインと合わせると、印象の異なるてっさが楽しめる。
また、フグにひれを焼いて熱かんに沈めて飲む「ふぐひれ酒」と合わせるのもなかなか乙だろう。
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