盆栽を家に迎え入れたなら、長く一緒に暮らすために手入れは必須。ここでは、基本の手入れ方法を3種をご紹介。毎日の手入れで、盆栽を美しく保ちながら癒やされよう。
水やり
手入れの中でもかなりの重要度を占める、「水やり」。鉢の底から滴る程度が最適な水の量と言われており、土や砂が乾いていたらしっかりと与えよう。盆栽の状態を観察しながら、1日に2~3回を目安に与えると、枯れたり根腐れを起こしたりしにくいという。
また、水を与える際の勢いも重要だ。土を削ったり流れ出てしまうような強い勢いの水は、木を傷めることもあるので避けたいところ。細かな水が出るジョウロを使ったり、シャワーヘッドを上に向けたりして、柔らかなシャワーを意識してみてほしい。
「水やり3年(=水やりを3年続けていると、盆栽の生育の機微がわかるようになるほど重要)」という言葉もあるほど。毎日のお手入れかつ基本中の基本だからと言って侮るべからず、だ。
剪定(せんてい)
どんな樹形であっても、美しい黄金比があると「基本の樹形について知ろう。」でお伝えしたのだが、もう一つ重要な整形のポイントがある。それが、枝の配置である。正面から盆栽を見たときに、枝が互い違いに配置されているとより美しい。互い違いで、一周すると螺旋階段のような配置になるように、不要な枝である「忌み枝」を切っていくと良い。
また、剪定では枝の配置だけでなく、芽や葉のボリュームや長さも剪定して調整していこう。マツの場合は「芽摘み」と呼ばれる、新芽と以前から生えている葉とのバランスを取る工程も剪定にあたる。
剪定は、樹種によって適した時期が異なるので注意が必要。
針金掛け
盆栽の手入れとして憧れの針金掛け。少し中上級者向けの手入れにはなるが、ポイントを押さえて慎重に行ってこう。
枝に針金を巻き付ける先には、しっかりと枝に沿わせながら、紙が一枚抜き差しできるほどの隙間を空けておくのがポイント。1年ほどしたら形が定着するので、針金が枝に食い込む前にほどいてあげるのが良い。
針金を掛けて整形する大きな意味は、「大木感を出すこと」にある。大木は葉や枝が茂って重みがあるため、枝が少し下に傾いている。その成熟した枝の様子を、針金を使って演出していくのだ。この「大木感」という観点は、盆栽において非常に重要になので、「どうしたら大木のように見えるのか」を念頭に置きながら盆栽を手入れすると良いだろう。
【ちなみにコーナー】
盆栽に用いる針金には、「アルミ」と「銅」の2種類が主に用いられている。さらに細いためにホームセンターなどでは手に入りにくいことが多いので、盆栽センターや取り扱っているECサイト、盆栽園などで、理想の形にはどのような針金が適しているのか相談に乗ってもらいながら購入するのがおすすめ。
ほかにも、樹種や樹形、各産地のレポート記事などもあるので、盆栽についてもっと詳しく知りたい方はコチラ。または本誌『SETOUCHI MINKA LIVING with NATURE』でチェック!
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