今回は、盆栽の「樹種」についてご紹介。そもそも「樹種」とは何か、代表的な種や初心者におすすめのものなど、知っていればこれから盆栽を見るときにきっと楽しくなるだろう。
「樹種」とは?
「樹種」とは、字の通り「盆栽の木の種類」のこと。盆栽の樹種は「松柏(しょうはく)」と「雑木(ぞうき)」の2種に大別される。
松柏
「松柏」とは、「マツ(松)」と「シンパク(真柏)」をまとめて指す。松柏のどちらもが1年中青い葉をつける常緑種で、細長く硬い葉をつける針葉樹。古くから盆栽の王道として人気や憧憬を集めてきた樹種だ。
松にはさらに種類があり、瀬戸内が一大産地となっている「五葉松」や「黒松」、瀬戸内で生まれた「錦松」、他にも「カラ松」や「赤松」など、多くの種類がある。
黒松、五葉松、真柏は「松柏の御三家」とも称されるほど、人気が高い。
雑木
雑木盆栽は、さらに「葉」、「花」、「実」の3種に分けられる。ここでは、それぞれ例を挙げながら紹介していく。
葉
春や夏の青く茂る様子や、秋の紅葉、冬の渋い佇まいなど、四季を通じて異なる姿を楽しめる。丈夫な上に、暑さや寒さにも強いため、育てやすい。
代表的なものは「モミジ」や「カエデ」、「ブナ」、「ヒメシャラ」など。初心者には育てやすい「カエデ」がおすすめだ。
【ちなみにコーナー】
「葉」と同じく実や花をつけない「松柏」。両樹種の決定的な違いは、「松柏」は落葉しない常緑樹で、「葉」は冬に落葉する落葉樹である点!
花
花が咲くまでの葉姿、開花、花が落ちた姿など、1年のうちで目まぐるしく姿が変わり、目を楽しませてくれる。香りが特徴的なものもあり、鮮やかな色も手伝って部屋全体や気持ちを華やかにしてくれる。
代表的なものは、「サクラ」、「ツバキ」、「バラ」、「サツキ」などが挙げられる。中でも初心者におすすめなのは「サクラ」。水を好むので、水をやりすぎて腐らせる心配がない。さらに、自分だけの花見ができる贅沢な時間も味わえる。
実
結実から実が色づく様子、実が落ちた後の枝の様子など、季節の移ろいを感じられる。受粉など、他の盆栽にはない手入れ工程が発生するため、生育の難易度は少し高い。だからこそ、実をつけたときの喜びもひとしお。
代表的なものは「ウメモドキ」、「カキ」、「ピラカンサス」、「ヒメリンゴ」など。中でも初心者におすすめなのは「ピラカンサス」。生育も旺盛で育てやすい上に自然受粉するため、初心者でも比較的実をつけやすい。赤い実と深い緑の葉のコントラストも美しい。
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