SETOUCHI MINKA

【THE BONSAI】基本の樹種について知ろう。

今回は、盆栽の「樹種」についてご紹介。そもそも「樹種」とは何か、代表的な種や初心者におすすめのものなど、知っていればこれから盆栽を見るときにきっと楽しくなるだろう。

この記事を書いたのは…
瀬戸内民家シリーズの雑誌表紙

瀬戸内海沿岸の岡山・広島・山口・香川・愛媛・兵庫各県で家づくりを手掛ける腕利き工務店の情報に加え、瀬戸内の自然や気候風土、歴史、文化といった、瀬戸内で暮らす魅力を発信しています。さらに詳しく>

「樹種」とは?

「樹種」とは、字の通り「盆栽の木の種類」のこと。盆栽の樹種は「松柏(しょうはく)」と「雑木(ぞうき)」の2種に大別される。

松柏

 「松柏」とは、「マツ(松)」と「シンパク(真柏)」をまとめて指す。松柏のどちらもが1年中青い葉をつける常緑種で、細長く硬い葉をつける針葉樹。古くから盆栽の王道として人気や憧憬を集めてきた樹種だ。

 松にはさらに種類があり、瀬戸内が一大産地となっている「五葉松」や「黒松」、瀬戸内で生まれた「錦松」、他にも「カラ松」や「赤松」など、多くの種類がある。
 黒松、五葉松、真柏は「松柏の御三家」とも称されるほど、人気が高い。

「五葉松」

雑木

 雑木盆栽は、さらに「葉」、「花」、「実」の3種に分けられる。ここでは、それぞれ例を挙げながら紹介していく。

 春や夏の青く茂る様子や、秋の紅葉、冬の渋い佇まいなど、四季を通じて異なる姿を楽しめる。丈夫な上に、暑さや寒さにも強いため、育てやすい。

代表的なものは「モミジ」や「カエデ」、「ブナ」、「ヒメシャラ」など。初心者には育てやすい「カエデ」がおすすめだ。

【ちなみにコーナー】
「葉」と同じく実や花をつけない「松柏」。両樹種の決定的な違いは、「松柏」は落葉しない常緑樹で、「葉」は冬に落葉する落葉樹である点!

「カエデ」

 花が咲くまでの葉姿、開花、花が落ちた姿など、1年のうちで目まぐるしく姿が変わり、目を楽しませてくれる。香りが特徴的なものもあり、鮮やかな色も手伝って部屋全体や気持ちを華やかにしてくれる。

 代表的なものは、「サクラ」、「ツバキ」、「バラ」、「サツキ」などが挙げられる。中でも初心者におすすめなのは「サクラ」。水を好むので、水をやりすぎて腐らせる心配がない。さらに、自分だけの花見ができる贅沢な時間も味わえる。

「サクラ」

 結実から実が色づく様子、実が落ちた後の枝の様子など、季節の移ろいを感じられる。受粉など、他の盆栽にはない手入れ工程が発生するため、生育の難易度は少し高い。だからこそ、実をつけたときの喜びもひとしお。

 代表的なものは「ウメモドキ」、「カキ」、「ピラカンサス」、「ヒメリンゴ」など。中でも初心者におすすめなのは「ピラカンサス」。生育も旺盛で育てやすい上に自然受粉するため、初心者でも比較的実をつけやすい。赤い実と深い緑の葉のコントラストも美しい。

「ピラカンサス」

【THE BONSAI】の記事は、
「SETOUCHI MINKA LIVING with NATURE 瀬戸内の自然と暮らす。」でチェック!

盆栽をはじめ瀬戸内の魅力と文化についてもっと詳しく知りたい方はコチラ

「THE BONSAI」の取材風景や、本誌未掲載写真などはInstagramでも更新中!

トップページに戻る