家を見ることが好きで、結婚前から住宅イベントに遊びに行っていたFさまご夫婦。「おかやま住宅工房」の家に憧れを持った当時から結婚して家づくりが現実になるまで、気持ちが変わることはなかったという。それほどにご夫婦の心を惹きつけたのは、同社が得意とする焼杉板張りの和の家の佇まい。「歳を取っても飽きることなく、落ち着きを感じられる和風の平屋が私たちの好みでした。こちらの希望と会社の家づくりの姿勢がぴったり合っていたので、迷いがありませんでしたね」と、ご夫婦は話す。
難航の末にようやく見つけた土地は、大型住宅団地の一画の、草木の生い茂った小山のような場所。南西が接道した台形の変形地で、地面は道路から最大 1.5mも高くなっており、通行人の目線がちょうど足元に。設計はこの難条件をうまく生かすよう考えられ、リビングを道側に突き出したTの字形のプランがつくられた。リビングは接道面に窓を設けず、両サイド 2面に大きく開口して、それぞれの前に庭を配置。玄関側となる南角には、美しい日本庭園を設え、和室前の地窓からも眺められるように。「外構や庭が整うと雰囲気が全く変わって見えて、家の良さがひときわ増しますね」と語るご夫婦の表情には心の底からの満足がにじむ。反対側には水回りをまとめて物干しのテラスを設け、その先の広々とした芝生の庭と生垣はDIYで整えた。生垣の向こうに広がる緑豊かな公園の借景が、大きな価値となっている。
本焼きの杉板張りの家は、地面から湿度の上がりやすい岡山の風土にかなった先人の知恵。この先何年たっても色あせることなく、悠々とした風格を醸し続けていく。
建築実例データ | |
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当社は“平屋仕立て”の家づくりを行っています。平屋の暮らしは体に負担が掛かりにくく、ずっと心地よく暮らすことができるというメリットがあります。先鋭的で過剰なデザインではなく、暮らしに溶け込む民藝のような「実用的で機能的な美しさ」を追求し、住まう人が長く快適に暮らせる住まいを、職人の手仕事で丁寧につくり、お届けします。
専務取締役 中川 大