一面にクラピアが敷かれた庭を元気に駆け回るお子さまを、デッキから見守るBさまご夫婦のあたたかなまなざし。明るい笑い声が絶えないご家族が暮らすのは、陽光を取り込み風を生かしながら、健康で気持ちの良い暮らしを提案する「マツミ住宅」が手掛けた住まいだ。
パッシブデザインの妙技がここかしこに生きる新居は、いずれ夫婦水入らずの暮らしになることを想定した平屋造り。LDKはもちろん寝室も北東角に配し、北向きの子ども部屋の全てに開閉式の大きな窓を設け、日の出から日没まですがすがしい陽光が降り注ぐ。光が持ち込む熱は冬の室内を心地よく暖める一方、せり出す庇が夏の直射を遮る。西の山側から南手の川へと吹き降りる風は、ガラリや回転欄間を介して家じゅうを悠々と泳ぎまわって熱気や湿度を拭い去る。酷暑となればごく控えめにエアコンを働かせるが、壁や天井裏のサーキュレーターやダクトを通じて冷気が行き渡り、高い気密性と重力換気が外の熱気に入り込む余地を与えない。リビングソファにゆったりと腰を沈めれば、隣り合う実家との間の庭景と自然素材に彩られた空間が曖昧に溶け合い、内とも外ともつかない極上の開放感が心身を包み込んでくれる。四季の移ろいは決して常には穏やかでないからこそ、気まぐれな自然に寄り添い生かす英知が、本当に心地よい暮らしへと導いてくれるのだ。
ご夫婦の結婚記念樹であるオリーブと、お子さまの名前を宿すジャクモンティーが共に植わる Bさま邸の庭。小さな花々や山の色づきを愛でたりプールを広げてめいっぱい遊んだり…巡りゆく春夏秋冬を肌で感じる住まいは、ご家族のこれからを見守り紡いでいく。
建築実例データ | |
|
自然のエネルギーに目を向け、最大限に活用・調整し、小さなエネルギーで豊かに暮らせる住まいをつくる。それが当社の家づくりに欠かせないパッシブデザインです。できるだけ機械に頼らず一年中心地よく暮らしていただけるよう、性能数値を計算・測定し、快適な住まいをご提案します。
代表取締役 平松 崇祥