岡　山

　リビングから続くウッドデッキの前には、青々とした芝生の庭が広がっている。庭を望むウッドデッキは、Tさま家族お気に入りのアウトリビング。裸足で駆け回る子どもたちはそのまま庭へと走り出て、芝の感触を楽しんでいる。子どもたちを見守るように佇むシンボルツリーは、季節が移れば色合いを変え、自然の営みをそっと教えてくれる。倉敷市郊外、住宅地の一角にあるTさま邸は、ひときわ目を引く和モダンな家。外壁の焼板と木製格子、漆喰のコントラストが上品で、緩やかな屋根勾配と相まって洗練された印象を与える。玄関を抜けるとすぐに現れるのは2つの扉。パブリックとプライベートで入り口を区切ることで、いつ誰が来ても慌てることなく、すっきりと見せることが可能だ。白色の壁に無垢スギ材の木目が映えるナチュラルな室内は、3人の育ち盛りのお子さまを持つ奥さまがスムーズに家事を行えるよう、キッチン周辺に水回りを集約。洗面脱衣室の横に物干し場を配すなど、家事が楽になる設計が随所に施されている。子どもたちが巣立ったのちも暮らしやすいようプランニングを依頼したTさま。「担当の吉山さんには納得がいくまで何度も間取りを描いてもらって。要望をかなえてもらっただけじゃなく、プラスαの提案までしてくれました。本当に感謝しています」と家づくりを振り返る。
　奥さまのための家事動線はもちろん、LDKのすぐそばにリビングと同等ほどの広い和室を設けたのも、将来はご夫婦の寝室として利用できるよう考えてのこと。光と緑に包まれるこの住まいは、家族の穏やかな日常を守り、これからもともに歩んでいくのだろう。