築80年の古民家を改修したKさま邸。重厚な瓦屋根に讃岐ならではの鏝絵が印象的な、見事な住まいながら、3世代にわたって暮らしてきたこともあり、不便さや耐震面の不安などを感じていたことから改修を決意。長い歴史を持つ家の重厚な佇まいを損なわないよう、用いる素材にもこだわって検討したご夫婦は「菅組」の家づくりを知り、依頼することに決めた。
キッチンとダイニング、浴室、洗面所、そして土間のあったスペースを、ご夫婦のライフスタイルに合う空間に改修。ダイニングのオーク材の床とキッチンの壁や床のグレーのタイル、ステンレス製のキッチンが印象的なスタイリッシュな空間に。床のタイルや火山灰を主原料とした壁材、アメリカンスタイルのスイッチパネルなどは、「菅組」の施工例から取り入れた。
ダイニングスペースにあるひときわ存在感を放つテーブルは、かつて造作家具の会社を経営していた奥さまのお父さまが、今回の改修に合わせて採寸し、北米産のナーラという木を使って造ったもの。
窓の位置なども緻密に計算され、アイランドキッチンに立つと、外の道路からの目線を気にすることなく庭や遠くの山々が見え、山から下りてきた涼しい風が部屋を通り抜ける。
少し離れていたため不便だった浴室や洗面所は、キッチンダイニングに隣接させ、生活動線も便利に。
スペースを持て余していたという室内を生活しやすい広さに狭め、新たに庭も設けた。縁側越しに見える庭は「庭屋一如」をテーマに、家と周囲の自然をゆるやかにつなぐ役目も果たす。季節の移ろいとともに装いを変える庭を眺めながら、ご夫婦は日々の暮らしを心から楽しんでいる。
<改修部延床面積:51.19㎡(15.51坪)>
建築実例データ | |
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私たちは家づくりにおいて、自然や風土などの地域性を大切にしたいと考えています。家は住まい手さんのものであるとともに、町の景色を形成する重要なファクターでもあります。讃岐には讃岐の家がある…地域、人々、その風土とともに木の家をつくる。私たち「菅組」の家づくりです。
代表取締役社長 菅 徹夫