高松市の郊外。なだらかな里山を背に、讃岐独特の田園風景を見下ろすこの地にYさまご夫婦が描いたのは、内と外が緩やかにつながる、自然と一体となったシンプルな暮らし。穏やかな太陽の光が差し込む心地よい空間で、庭の緑を眺めながら和やかに過ごす夫婦水入らずのひととき。そして、庭や縁側で伸び伸びと戯れる子どもの姿…。この住まいには、そんな幸せのワンシーンを美しく切り取り、かけがえのない家族の記憶へと昇華させる作り手の技と心遣いが随所に見て取れる。
自然素材の爽やかな空気感に包まれたLDKには、庭に面した大開口の掃き出し窓が鎮座。それを中心に内側のゆったりとした空間と庭、さらにはその向こうに広がる景観にまでつながりを持たせ、ダイナミックな抜け感と開放感を生み出している。また、「菅組」の家づくりの真骨頂とも言える、腕利き職人による意匠性も隙のない完成度。ご夫婦の趣味趣向のみならず、身長や生活スタイルなど細部までくみ取って制作したキッチンや洗面台、本棚といった造作の数々も、上質な素材と伝統の技が威厳を示しており、それらは揺るぎない美しさとなって存在感を主張している。夏は日差しを遮り、冬は陽光を取り込める深い庇を設けたほか、自然エネルギーである太陽の輻射熱をため、一年中快適な室内環境を生み出すパッシブソーラーを導入するなど、環境に優しい家であるという点もご夫婦はとても気に入っているという。念願だったナチュラルライフをかなえたYさま。その器となるこの家に重苦しさはまるでなく、里山や庭の緑に浮かぶような軽やかさが新鮮で、この上なく心地よい。
建築実例データ | |
|
私たちは家づくりにおいて、自然や風土などの地域性を大切にしたいと考えています。家は住まい手さんのものであるとともに、町の景色を形成する重要なファクターでもあります。讃岐には讃岐の家がある…地域、人々、その風土とともに木の家をつくる。私たち「菅組」の家づくりです。
代表取締役社長 菅 徹夫