静寂の中に鳥のさえずりだけが響くのどかな里山風景が広がる中に、隠れ家的な古民家宿「はちどり」がある。住民不在となった日本家屋と庭が、リノベーションにより極上の空間へと生まれ変わった。
建物は伝統の日本家屋の味わいをそのまま残しつつ、現代のエッセンスを巧みに織り込んだリノベーションを実施。それと同時に中庭にも新たな息吹を吹き込んだ。当初の庭はモミジなど木が4本しかない寂しいものだったが、多彩な木々を植えて緑豊かな雑木の庭へと再生。建物と一体となって和の風情を醸し出している。
庭は玄関のアプローチや、母屋のフリースペース、渡り廊下、離れの部屋などさまざまな方向からいつでも眺めることができる。眺める場所によって違った趣を感じられるよう、庭師・森口和也の手によって、木や敷石の位置、向きなどが絶妙に計算されている。夜にはライトアップされ、幻想的な光景が浮かび上がる演出も。
日常の喧騒から離れた静寂のひと時を提供する「はちどり」。美しい庭の景色とともに、熟練職人による館内の高度な伝統意匠も、訪れた人に安らぎと癒やしを与えるファクターとして欠かせない。素材やデザインの味わいはもちろん、やわらかさやぬくもりが五感を通して伝わる至福の時間がゆっくり流れている。
建築実例データ | |
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代表取締役 矢野 智大