高松市南部。豊かな緑をたたえる讃岐山脈を借景に、静かな田園風景が広がる。「のどかな」という表現がぴったり当てはまる牧歌的な景色の中に、シンプルモダンの佇まいを見せるKさま邸が立っている。ガラス工芸作家であるご主人の要望から「ギャラリーを兼ねた心地よい家」がコンセプトに。一つの建物でありながら仕事場と家の機能を分けた設計が、家庭に仕事を持ち込まず、家族全員の居住性を優先した暮らしを支えている。
自然素材を用い、余計な装飾を極力なくしたシンプルな室内には、ご主人のアーティストとしての思想や世界感も随所に凝縮されている。南側に開けたリビングは、大きな窓の向こうに軒のあるデッキが緩やかにつながり、家の中であって外でもあるような、抜群の開放感に満ちている。デッキは手入れがしやすいコンクリートで設え、自然の景色を眺めながらBBQなどを楽しめる空間に。リビングはもちろん、家の至る所にある窓からの眺めも格別だ。周囲の豊かな自然やのどかな里山風景が見えるように配置され、立ったり座ったりした時の視線がちょうど良い高さになる設定。まさしくどこを切り取っても1枚の絵画のようなピクチャーウインドーになっている。「ライフスタイルが自分の作るものに説得力を与えてくれる気がするんです」と破顔一笑するご主人は、親しみ深いこの地に根を下ろし、のどかな自然の中で作品作りに没頭している。自分が描いた理想の住まいで、常に正直であり続けること。それが心地よさのベースになっているそうだ。
建築実例データ | |
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樹工舎では、「飽きが来ない家づくりを。」というコンセプトのもと、機能性ももちろん、お客さまが長期的にライフスタイルを楽しんでいただけるような家づくりを提案しております。
代表取締役 矢野 智大