どんな庭にも、木々や草花はなくてはならないもの。
ここでは、「庭に関するハウツー」記事で紹介した
「和の庭」「雑木の庭」「ナチュラルガーデン」「リゾートガーデン」「エクステリア」の
5ジャンルに合う木々たちを、
育てやすさや地植えのしやすさなどから厳選してピックアップ。
理想の庭に彩りを添えてくれる植物を見つけてみてほしい。
<illustration_大林 秀典>
目次
▶ 落葉広葉樹:ムクロジ科(旧カエデ科)
最大で2~10mほどまで成長する、美しい紅葉が魅力の木。葉の切れ込みが深く5裂以上であればカエデ、葉の切れ込みが浅く葉の分かれが少ないものがモミジ。日当たりと風通しが良い場所に植え、春と秋には1 日1回、夏は1日2回、冬場は一週間のうちに3~4回程度の水やりを。
おすすめ:和・雑木・エクステリア
▶ 落葉広葉樹:バラ科
品種によっては10mほどに成長するものもあるため、庭の規模を考慮して品種を選ぼう。花期は3~5月で、剪定は11月頃に切り口や自然についた傷口から雑菌が入って傷まないよう、必ず癒合剤を用いるなど枝を傷ませない工夫を。葉を食べる虫が付きやすいため対策が必要だ。
おすすめ:和
▶ 落葉広葉樹:アジサイ科
花期は6~7月で、梅雨時に趣と彩りを添えてくれる1~2mほどの低木。乾燥を避けるために冬場の寒風が当たらない場所に植え、夏場は1日に2回程度の水やりを心掛けて。花が色あせてきたら剪定を行い、翌年のための花芽を育てよう。
おすすめ:和・雑木・ナチュラル・エクステリア
▶ 常緑低木:バラ科
枝先が上を向きしっかりと自立する「木立性」、枝先は斜めに広がる「半つる性」、枝が長く伸びてアーチなどに巻き付く仕立てが楽しめる「つる性」の3 種があり、それぞれ生育方法や花期が異なる。地植えは直射日光を避け、日陰で風通しの良い場所へ。基本は降雨で育つが、雨が降らない日が続く場合は朝に水やりを。
おすすめ:ナチュラル
▶ 低木:シソ科
耐寒性と耐暑性に優れ、花が小さく香りも控えめな「ラバンディン」系が人気。60cm~2mほどに成長する。やや乾燥した環境を好むため、水は降雨で十分。暑い時期には、蒸れを避けるために涼しい朝か夕方に水をやると良い。6~7月頃に花をつけ、花が乾燥した後も香りが長く続く。
おすすめ:ナチュラル
▶ 常緑低木:キジカクシ科
乾燥地に生育する多肉植物で、5cm~2mほどにまで成長する。日当たりの良い乾燥した環境を好むが、気温が30度を超える夏場を想定して、日陰ができる場所に植えておくと良い。地植えしない場合、冬場は室内の日当たりが良い窓辺へ。水のやりすぎは根腐れの原因となるため、表土が乾燥したらやる程度に。
おすすめ:リゾート・エクステリア
▶ 常緑低木:ソテツ科
最大8mほどに成長するので、植えるスペースは余裕をもって確保しよう。日当たりの良い乾燥した場所を好むため、南向きの場所がおすすめ。水はけが良い土であれば雨の当たる場所でも問題はなく、直射日光にも耐えられる。冬場は下1/3ほどの古い葉を切り落とし、幹をコモ巻きするなどして越冬を。
おすすめ:リゾート・エクステリア
▶ 常緑低木:ヤシ科
シンボルツリーとしても人気のある高木で、最大で約10mまで成長する。日当たりの良い場所に植え、夏場は毎日しっかりと水をやり、秋から冬にかけては表土が乾いたら水をやる程度に。冬場の肥料は不要。下葉を剪定すれば、ヤシ特有のゴツゴツとした幹に仕上がる。
おすすめ:リゾート・エクステリア
▶ 落葉広葉樹:モクセイ科
日本に自生している種のため風土との相性が良く、暑さにも強いため管理もしやすい。水はけの良い土壌で日当たりの良い場所~半日陰ほどの場所に植えると良い。しなやかな樹形と幹肌は爽やかな印象を与え、幅広いテイストの住まいと合わせやすい。4~5月には白く房になった小さな花が付き、5~15mほどまで成長する。
おすすめ:和・雑木・ナチュラル・エクステリア
▶ 常緑高木:モクセイ科
アオダモとよく似ているが、別の樹種。日当たりと水はけの良い場所を好む。常緑種のため、庭にみずみずしい印象を与えてくれる。夏季の暑い時期や乾燥する日などには水をたっぷりと。生育が早いため、高さを出さないようにしたり形を整えたりする剪定を行う。切り落とした葉は、花瓶などで部屋に飾っても良い。
おすすめ:和・雑木・ナチュラル・エクステリア
▶ 常緑・落葉広葉樹:ミズキ科
10~15mほどに成長し、可食の赤い実が成る。単幹で成長する「落葉種」は和の庭や雑木の庭に、根元部分から幹が分岐する株立ちで成長する「常緑種」はナチュラルガーデンのフロントガーデンなどに合う。成長が早いため、樹形をキープしたい場合には11~2月の休眠期に剪定を。
おすすめ:和・雑木・ナチュラル
▶ 常緑高木:マツ科
日本の原風景「白砂青松」が残る瀬戸内。美しい海岸風景を例えるその言葉にも用いられる常緑樹「マツ」は愛媛県の県木であり、「アカマツ」は岡山県と山口県の県木として親しまれている。1~50mと大きく育つため、植えるスペースは広く確保しておきたい。水はけの良い日なたを好み、耐寒性・耐暑性ともに優れている。
おすすめ:和・雑木
▶ 常緑高木:モクセイ科
温暖な気候と水はけの良い土壌でよく育ち、2m以上になる果樹で、香川県の県木としても登録されている。水を好むが、地植えして根付いたら水やりはほとんど必要なく、異なる品種と2本以上植えると実を付けやすい。洋風の庭によく合い、和風建築と合わせれば和モダンな雰囲気を楽しめる。
おすすめ:雑木・ナチュラル・エクステリア
▶ 常緑低木:ミカン科
古くから日本で愛されてきた果樹で、愛媛県の名産であり県花でもある高木。日当たりと水はけの良い場所を好むが、強い風が苦手なため植える場所には注意が必要。毎日でなくても良いが、表面の土が乾いてきたらたっぷりと水をやるようにすると育ちが良い。定期的な剪定で枝を整理して風通しを良くしよう。
おすすめ:和・ナチュラル・エクステリア
▶ 常緑多年草:ヒガンバナ科
10~25cmほどで下草として最適な多年草。白く可憐な印象の花がよく映えるため、緑の深い木々の近くや芝などと合わせるとより引き立つ。6~10月と花期が長い。日なたを好むが、半日陰でも元気に育つ。乾燥が苦手なため、夏はしっかりと水やりを。
おすすめ:和・雑木
▶ 常緑多年草:キンポウゲ科
10~50cmほどに成長する多年草で、1~3月の花の少ない時期に花期を迎えるため、冬の庭の彩りを保ってくれる。雑木の根元などの明るい半日陰に植え、病気のもととなる蒸れや過湿を避けるよう、枯れた葉は根元から切って。花の色が多いため、庭のバランスを見てカラーコーディネートしていく楽しみも。
おすすめ:ナチュラル
▶ 常緑低木:ツゲ科
耐寒・耐暑性に優れ、グランドカバーとしても使える20cm程度の低木。森林に自生しているため、明るい半日陰に植えるのが良い。日差しが強いと葉焼けすることもあるため、日当たりには注意が必要。根付いてからは水やりの必要はほとんどなく降雨に任せておいて良い。
おすすめ:和・雑木・ナチュラル
▶ 落葉多年草:ユリ科
日本のユリの原種で山地に自生し、1.2 ~ 2m ほどに成長する。大型で白い花弁は華やかで、香りも楽しめる。水はけの良い明るい日陰に植え、夏の強い日差しと冬の冷風には注意を。表土が乾いたらたっぷりと水をやるのが良いが、葉の裏に水が跳ねないようにそっと水やりを。
おすすめ:和・雑木
▶ 蘚類:ギボウシゴケ科
日光を好み、耐寒・耐暑性に優れている頑強なコケ。和の庭や雑木の庭などのグランドカバーとして用いられる。3~10月の日差しが強い時期には3日に1度程度、朝か夕方の日が低い時間帯に水やりを行うと良い。ただし、梅雨時期には水のやりすぎにならないように注意が必要。11~2 月の冬季にはあまり水やりは必要ない。
おすすめ:和・雑木
▶ 常緑低木:シソ科
5~25cmほどに成長し、5~7月の花期には細い枝に小さな花を咲かせる姿がかわいらしい。タイムとして人気のクリーピングタイムとは近縁種。日当たりの良い場所に植え付け、群生して蒸れさせないよう風通しを良くするために夏前に刈り込むなど手入れを。1 日1 回、冬は表土が乾いたら水やりを。
おすすめ:雑木・ナチュラル
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