愛　媛

プライバシーと「つながり」の共存。

両隣に家が並びながらも、窮屈さを感じさせない家。この家の最大の特徴はそこにある。正面からは1階にあるどの部屋の中も覗けないように配慮されたコの字型の設計に、「タニグチ」の設計力の高さが光る。高強度な家づくりはもちろん、デザインや環境に適応する設計力に定評があるのも同社の強み。玄関前に設けられた目隠しは、しっかりとプライバシーを確保しながらも陽光を取り入れる。柔らかなアイボリーカラーの外壁と相まって、明るく家族や客人を迎え入れてくれる玄関に仕上がっている。玄関横の駐車場を兼ねた屋外スペースにも、周囲の視線を遮りながら閉塞感を感じさせない。玄関に入ってまず目を引くのが、木でできた引き戸だ。格子状にデザインされた戸は、奥にあるキッチンの目隠しとして機能しつつも、程よい「抜け感」で余裕ある空間を実現している。自然素材がふんだんに使用された横並びのLDKは、大きな掃き出し窓で陽光が満ちた明るい空間となっている。その奥には、同様に掃き出し窓が設けられた開放感ある小さな和室も。LDKと和室には仕切りや扉がなく、「つながり」を感じられる広々とした空間デザインがなされている。家のどこにいても、外の光や風を感じられて自然素材のあたたかみにも触れられる。それでいて、自分たちのプライベートを保持できるという、現代人のニーズにマッチした家のカタチなのではないだろうか。