山と田畑に囲まれた郊外の住宅地で、その建築物は圧倒的な存在感をもって道行く人の視線を引きつける。ギャラリーか、公共建築かと思わず見入ってしまう、異彩を放つ一邸がKさまの住まいだ。
住宅建築に対して高い意識をもち、「きなりの家」に辿り着いたKさま。ヒアリングの場ではいくつかの建築家の作品例も挙げながら、風景を取り込む大きなガラスを象徴的に用いた、インパクトのある住まいのイメージを伝えたという。こうした想いを汲んで実際の敷地に立った同社の建築士は、「これは絶対に2階リビング」と直感し、加えて車の転回スペースの必要な旗竿地という敷地条件から、1階部分を抜いてピロティとするプランを固めた。
斜めにせり出した幾本もの柱は、デザインに個性を与えると共に、開放的なリビングを進入路側の視線から守る役割を果たす。ピロティは長いアプローチの一部でもあり、内と外とを緩やかにつなぐ。来客を迎える玄関は広く、客間へと導きながら一面に庭を見せる演出は、この家の一つのハイライトとなっている。
2階に上がった途端、大パノラマで飛び込んでくる瑞々しい緑の風景。「山がこんなにきれいに見える場所だとは、建てるまで気がつかなかった」とKさまは微笑み、住むほどに知る細やかな設計の配慮に、深く感銘を受けているという。
建築実例データ | |
|
人と自然との関係が見直されている時代に、「自然とモダンに暮らす」ご提案。天然の素材を用いながら、そこに創造性に富んだモダン・デザインをプラス。今までにない暮らしの楽しさへと変えていき、永く住むことで美しい魅力を重ねていく家をご提供いたします。
取締役社長 岡 伸紀