近年人気を集めている小さな平屋での暮らし。一人暮らしや、若い子育て世代からシニアの終の棲家まで、シンプルでおしゃれ、コンパクトで無駄がない、ちょうどいいサイズ感が世代を超えて支持されている。ここでは土地面積が限られていても実現しやすい、27坪以下の素敵な「ミニマムな平屋」7邸の間取りの工夫を紹介。
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片流れのシャープなシルエットが映える外観が印象的な平屋。外壁は黒のガルバリウム鋼板でシックに装い、大人の感性が漂う気品ある佇まいに仕上がっている。家にいる時間の多くを過ごすLDKは、自然素材が豊富に使われた心地よい空間で、温かみのある照明が落ち着きとゆとりのある雰囲気を演出。見晴らしの良い景色を眺めながら、家族やゲストと楽しいだんらんのひとときを過ごせるほか、勾配天井から生まれた壁の余白スペースにプロジェクターの映像を映し出せるようにし、ホームシアターにも様変わりするMさまこだわりのぜいたく空間だ。
POINT→ 勾配天井から生まれる空間を有効に活用し、ホームシアターやロフトを設置。吹き抜けの玄関や水回りをコンパクトに集約してスムーズな動線を確保している。独立した和室は来客時などにも活躍。
娘夫婦の家の隣に建てた、お母さまが暮らすコンパクトな平屋。建物は約14坪とコンパクトで、一人暮らしの家事や移動にもちょうどいいサイズ感だ。室内の意匠は、お母さまが常に気持ちよく過ごせるよう厳選した自然素材のみを使い、シンプルで安らぎのある空間に。外観はシラスそとん壁の躯体に、窓の格子や軒裏などに施した美しい本焼き板が縁取る上品な和の佇まいを見せる。さらに、コンパクトながらも「夫婦二人暮らし」「夫婦+子ども1人の三人暮らし」といった将来の家族構成の変化を想定した設計にもなっている。
POINT→ 一人暮らしにぴったりな1LDK。トイレや浴室など水回りを集約し、各部屋への移動距離が短くスムーズになるよう配置している。室間の温度差も少ないので、エアコン1台でどこに居ても年中快適だ。
長らく賃貸で暮らしてきたMさまは今後の人生設計を見据えマイホームを持つことを決意。住宅会社を巡る中で、社長のファーストレクチャーが分かりやすく心に響いたことや、資産価値の高い家を建てられると確信できたことなどが決め手となり、岡山市の「近藤建設興業」に依頼。断熱・気密・耐震の性能についてはもちろん、床材やスイッチなど細かい要望に至るまで丁寧に対応してくれる同社の姿勢に感銘を受けたそうだ。地鎮祭や上棟式には親族や友人も参加。「人が集う家」をつくりたいというMさまが抱いた夢は見事に結実した。
POINT→ 全面開閉式の間仕切りやコーブ型の間接照明を採用し、人数に応じて可変的で安らぎのある空間を実現。玄関からサニタリー、浴室へと続く直線動線で、家全体が回遊でき、居住性も抜群。
シックなネイビーの外観に木目の美しいドアが映えるTさま邸。約25坪のコンパクトな住まいでありながらも、約17帖のLDKをはじめ、ご主人の書斎や豊富な収納など、ご夫婦のこだわりが家じゅうに反映されている。ワンフロアでつながる平屋の暮らしは、どこにいても目も声も届き、家族の存在が感じられる。キッチンから洗面室、洗濯物を干すテラスへの動線もスムーズで、共働き夫婦の家事の時短にも一役買っている。コンパクトな広さで毎日の家事も楽々。家族同士の程よい距離感も、Tさまの日常に快適さとゆとりを与えている。
POINT→ 約25坪の広さながらも家族4 人が生活するのに十分な空間を実現。掃除や家事がしやすく、1 年中エアコン1 台で快適に暮らせるのも大きなメリット。家族が付かず離れずの程よい距離感もキープ。
豊かな自然に囲まれた閑静な住宅街に佇む平屋。L字型の建物は、どの部屋も自然の光と心地よい風を取り込むことができ、家族4人が伸び伸びと過ごせる設計。室内はチークやウォールナット、パインをはじめとする天然木が豊富に使われ、自然素材の爽やかな空気感に包まれている。家族が集うLDKは現しの梁が美しい勾配天井や、リビングとつながりのある畳コーナーを設けて開放感を演出。自然の風で快適に眠れる寝室や家族全員の衣類を収納できる大容量のファミリークローゼット、高い抗菌性と耐水性を誇る竹のフローリングの洗面脱衣室など、意匠性だけでなく居住性にも優れたこだわりの住まいだ。
POINT→ 玄関から各部屋へ入るには一旦LDKを通り、帰宅した家族の様子をいつも確認できるように設計。キッチンから浴室・洗面までは廊下で一直線。その動線の途中にはファミリークローゼットを設置している。
国道に面した立地ながらも室内には静かで穏やかな時間が流れているKさま邸。頻繁に車が行き交う幹線道路に面した敷地条件から、表側を閉じつつ家の中に光を取り込む中庭がプランの軸となった。中庭を設けたおかげで、室内はいつも明るく開放感も満点。木々の鮮やかな緑がKさまの日常に安らぎと癒やしを与えている。室内は深い色合いが調和する落ち着いた雰囲気でコーディネート。Kさまがお気に入りの家具に合わせた濃いウォールナットの床と、真っ白ではなくあえてワントーン落とした珪藻土の壁がくつろぎを生んでいる。
POINT→ 交通量の多い国道沿いに立つため、外からの視線を遮りつつ開放感を生む、中庭をコの字に囲むプラン。中庭は和室、リビング、ダイニング、子ども部屋の各部屋から望め、日々の暮らしにゆとりをもたらす設計に。
建物面積約16坪・1LDKの小さな平屋。数にこだわらず自分の大切なモノだけに囲まれて簡素に暮らしたいというミニマリストにはちょうど良いサイズ感の住まいだ。Nさま邸はコンパクトな建物ながらも、自然素材の温かみに包まれた意匠性と、収納や動線といった居住性に配慮が行き届いており、間取りもミニマムであることを感じさせない設計になっている。LDKは壁付けのキッチンにすることで空間を最大限に活用。日常の暮らしにおいてゆったりと羽を伸ばせるのはもちろん、ゲストを招いて楽しいひとときを過ごすことも十分に可能だ。
POINT→ 玄関からLDK、洋室、洗面・脱衣室へと廊下を介さずつながる、一人暮らしにちょうど良いコンパクトな動線。壁付けキッチン、玄関土間の奥に設けたトイレなど、限られたスペースを有効に活用している。