「百名山」「百名勝」「百名瀑」…日本全国に多彩なジャンルの百傑が存在する中、「日本百名道」「日本の道100選」といった道のベスト100も存在することをご存じだろうか。瀬戸内の各県にも「名道」の称号にふさわしい珠玉の道が数多く走っている。岡山県にも一度は訪れてみたい美しい名道が存在。今回は、陽光にきらめく瀬戸内海の美しい景色や、人間の手が入っていない中国山地の雄大な自然を堪能しながらドライブできる岡山県のとっておき山岳ルート2路線を走ってみた。
<取材・写真・文/鎌田 剛史>
目次
①鷲羽山スカイライン(岡山県道393号 鷲羽山公園線)
「鷲羽山スカイライン」は、岡山県倉敷市南部の児島半島突端に鎮座する「鷲羽山」を走るドライブウエー。ルートは児島半島の尾根沿いに縦貫しており、瀬戸内海から水島臨海工業地帯へと至る。鷲羽山の豊かな自然や工業地帯の展望を楽しむ観光用道路として1970年に有料道路として開通。その後1995年に無料開放された。道中には見晴らしの良い展望台が点在しており、家族連れやカップルの行楽スポットとしても親しまれている。
24時間眠らない広大なコンビナートの景観が眼下に。
「水島展望台」はルート随一のロケーションを誇り、夜景百選にも選ばれた水島コンビナートのベスト・ビュー・スポット。日が暮れ始めると、眼下には無数の光が浮かび上がり、大迫力の工場夜景が出現。設備灯や航空障害灯といった無数の輝きが、2,500haの広大な臨海工業地帯を埋め尽くす光景は圧巻。大小の煙突から白煙を上げながら夜通し稼働を続ける工場群は、まるで不夜城のような様相を見せている。
「鷲羽山展望台」で備讃瀬戸の大パノラマを独り占め。
鷲羽山スカイラインの起点から県道を東に走ると「鷲羽山展望台」にたどり着く。展望台周辺には「鷲羽山レストハウス」「鷲羽山ビジターセンター」などが整備されており、ドライブの休憩スポットにも最適。鷲羽山の山頂へ徒歩約15分で登ることができ、島々が浮かぶ備讃瀬戸の美しい風景を見渡せる絶好のビュースポットとして人気を集めている。またここは「日本の夕陽百選」にも選ばれている場所で、マジックアワーの幻想的なひと時を過ごしに訪れる若者やカップルも多い。
鷲羽山スカイライン(岡山県道393号 鷲羽山公園線)
【アクセス】瀬戸中央道水島ICから県道62号経由で約2km
【所在地】岡山県倉敷市下津井~広江 24時間通行可能 通行無料
【問い合わせ】086-473-1111(倉敷市児島支所総務課) https://www.kojima-sanpo.jp
②蒜山大山スカイライン(岡山県道・鳥取県道114号 大山上福田線)
「蒜山大山スカイライン」は、岡山県真庭市蒜山から鳥取県江府町を結び、雄大な自然に包まれた延長約11.6kmの観光道路。かつては有料道路だったが、1993年に無料化された。中国山地の盟主「大山」の荒々しい岩肌が剥き出す南斜面と、ゆるやかにうねる「蒜山高原」の山並みを一望できる。
蒜山の大自然を全身で感じるネイチャー・ドライブ。
春夏の鮮やかな新緑の中で森林浴ドライブを楽しめる。秋の紅葉も見ごたえ満点で、沿道のブナ、ナラ、カエデ、モミジなどが美しく色づき、朝晩の冷え込みが強くなるころには、日の出とともに幻想的な雲海も望める。
荒々しくそびえる大山の姿に感動。絶景スポット「鬼女台展望休憩所」。
ドライブのハイライトとなるのが県境付近にある「鬼女台展望休憩所」。360度の絶景パノラマが広がり、北には大山と烏ヶ山が悠々と並び立つ景色を望め、南には緑豊かな高原に抱かれた蒜山の町並みを見渡せる。県境を越えて鳥取県江府町に入り、スカイラインは終点に。そこから「大山環状道路」へ接続する。
蒜山大山スカイライン(岡山県道・鳥取県道114号 大山上福田線)
【アクセス】米子道蒜山ICから国道482号、県道114号経由で約4km
【所在地】岡山県真庭市蒜山~鳥取県江府町 24時間通行可能 通行無料 冬季は通行止め
【問い合わせ】0867-66-3220(蒜山観光協会) https://www.maniwa.or.jp
【番外編】大山環状道路(鳥取県道30号赤碕大山線・鳥取県道34号倉吉赤碕中山線 など)
中国地方を代表する鳥取県の霊峰・大山を周回する全長約64kmの環状道路で、手つかずの自然を楽しめる絶景コースとして人気。牧歌的なムード漂う「香取高原」をはじめ、森林浴ができるスポットも点在し、何度でもドライブで訪れたくなるコースだ。
大山をぐるりと周回するルートは、まさに自然の宝庫。
「蒜山大山スカイライン」から鳥取県道45号を西へ曲がり、環状道路を左回りするルートへ。烏ヶ山を背景に望む開放的な道がしばらく続いた後は、徐々に木々の生い茂る山道へと移り変わっていく。
「鍵掛峠」から大山南壁の絶景を堪能し、「枡水高原」の爽快な景色に心癒やされる
環状道路は、各区間ごとにがらりと道の雰囲気が変わる。見上げる大山の表情も様変わりするのが魅力だ。西日本屈指のブナの原生林に包まれた樹林道を抜けると、 やがて絶景ポイントとして有名な鍵掛峠にたどり着く。ここから眺める大山南壁の荒々しい姿は圧巻だ。さらに西へ進むとたどり着く「桝水高原」では、「伯耆富士」とも呼ばれる大山の優美な姿を望める。
大山環状道路(鳥取県道30号赤碕大山線・鳥取県道34号倉吉赤碕中山線 など)
【アクセス】米子道江府ICから国道181号・482号、県道315号・45号経由で約16km
【所在地】鳥取県日野郡江府町、溝口町、大山町など 24時間通行可能 通行無料 冬季は一部区間で通行止め
【問い合わせ】0859-52-2502(大山観光局) https://tourismdaisen.com
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