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【瀬戸内の名道】兵庫県のシーサイド・ドライブルート。

「百名山」「百名勝」「百名瀑」…日本全国に多彩なジャンルの百傑が存在する中、「日本百名道」「日本の道100選」といった道のベスト100も存在することをご存じだろうか。瀬戸内の各県にも「名道」の称号にふさわしい珠玉の道が数多く走っている。兵庫県にも一度は訪れてみたい美しい名道がいくつも存在。今回は、南は瀬戸内海、北は日本海に面する県土の広い兵庫県で、海を眼前に臨みながらドライブを満喫できる瀬戸内海・日本海の絶景シーサイド・ルート3路線を走ってみた。

<取材・写真・文/鎌田 剛史>

この記事を書いたのは…
瀬戸内民家シリーズの雑誌表紙

瀬戸内海沿岸の岡山・広島・山口・香川・愛媛・兵庫各県で家づくりを手掛ける腕利き工務店の情報に加え、瀬戸内の自然や気候風土、歴史、文化といった、瀬戸内で暮らす魅力を発信しています。さらに詳しく>

①うずしおライン(兵庫県道25号 阿万福良湊線・兵庫県道237号 鳴門観潮線)

「うずしおライン」は、兵庫県淡路島の南部、南あわじ市にある海岸線道路で、主に県道25号・237号が当該区間に当たる。淡路島の海と山の豊かな自然を間近に感じながら軽快に走れる道だ。

海がすぐ横に!スリルも味わえるワイルド・ロード。~兵庫県道25号~

南あわじ市阿那賀付近の県道25号。訪れた日は強い風が吹きすさび、ガードレールを越えて波しぶきが上がる迫力満点のロケーションだった。同地区付近の道幅は狭いため、対向車両との離合には十分気を付けて。
南西方面には鳴門大橋も望める。
道中にある「緑の道しるべ 阿那賀公園」には駐車場があり、瀬戸内海の景色をゆっくりと堪能できる。正面遠方には「丸山海釣り公園」が見える。
福良地区の区間に入ると、紀伊水道方面を望む山間道が続く。信号が少ないのでスムーズに走れるが、時折現れる急カーブに注意して運転を。
沿道にある「かるも公園」でひと休み。すぐ前にあるビーチに下りて潮風を全身に浴びると気持ちいい。
「道の駅 福良」には、地元で採れた海産物を味わえるレストランや産直市場、足湯、観光案内所などがある。
「道の駅 福良」からは、鳴門のうずしおを間近で見ることができる「うずしおクールズ」も出航している。

県道25号の阿那珂~福良の区間は、豪快な波しぶきを間近に眺めながら走れるシーサイド・ロード。天気が良ければ車窓を開け放ち、爽やかな潮風を浴びながら駆け抜けたい。

道の駅 福良について詳しくはこちら

鳴門海峡の渦潮を間近に見られる絶景スポットへ。~兵庫県道237号~

日本で一番渦潮に近い道の駅として人気を集めている「道の駅 うずしお」。鳴門海峡と大鳴門橋の雄大な景色を眺められる展望スポットがいっぱい。
鳴門岬の尾根を走る県道237号。神戸淡路鳴門自動車道の淡路島南インターチェンジからほど近い。
淡路島の特産品・タマネギをモチーフにした「おっ玉チェア」は人気の撮影スポット。

細長い鳴門岬の尾根の上を走る県道237号の先端にあるのが、絶景スポットとして人気の「道の駅 うずしお」。日本でもっとも渦潮に近い道の駅として知られ、大鳴門橋をバックに豪快な鳴門の渦潮が見られるので、事前に観潮時刻をチェックして立ち寄ろう。道の駅では「全国ご当地バーガーグランプリ」で1位に輝き、一躍脚光を浴びた「あわじ島オニオンビーフバーガー」を食べられる。

道の駅 うずしおについて詳しくはこちら

うずしおライン

【アクセス】神戸淡路鳴門道淡路島南ICからすぐ
【所在地】兵庫県南あわじ市 24時間通行可能 通行無料 
【問い合わせ】0799-22-0742(淡路島観光協会) https://www.awajishima-kanko.jp

②淡路サンセットライン(兵庫県道31号 福良江井岩屋線)

兵庫県淡路島の西海岸を南北に走る県道31号は、淡路市の松帆の浦から洲本市五色町を通過し、南あわじ市の慶野松原に至る路線。通称「淡路サンセットライン」と呼ばれ、爽快なシーサイドドライブを満喫できる道だ。

感動的な美しさの夕焼けと、幻想的なマジックアワーに浸るひと時。

「淡路サンセットライン」は、瀬戸内海に沈む美しい夕日を眺められる海岸線沿いのドライブコースとして人気。
夕暮れ時に浮かび上がる風力発電の風車のシルエットも絵になる。
道中には所々に停車帯や休憩所があり、車を停めてサンセットタイムの情景をじっくり見られる。
瀬戸内海と空が赤く染まる感動的な美しさを一目見ようと、休日にはたくさんの人たちが訪れている。

島北端にある江埼灯台から淡路市野島蟇浦地区手前までと、同市の江井崎から都志港までの両区間は、視界を遮るものが一切なく見晴らしが抜群に良い。夕暮れ時には、夕焼けに染まった海と空、沈む太陽が織りなす感動的な景色を拝みながら、極上のドライブ時間を過ごせる。

白砂青松の広大なビーチで潮風を浴びながらリフレッシュ。

洲本市の「新五色浜海岸」は、開放感に包まれた遠浅の広大なビーチ。
色とりどりの玉砂利が美しいビーチで、夏には大勢の海水浴客でにぎわう。
南あわじ市の「慶野松原」。約5万本の淡路黒松が生い茂り、約2.5kmにわたって白い砂浜が続く景勝地。
善光寺山の中腹にある「サンセットパーク五色」からの眺め。

ルート沿線には、日本で最初に流れ着いた香木を祀る「枯木神社」、夏には多くの観光客でにぎわう「多賀の浜」「五色浜」「慶野松原」など、見どころが盛りだくさん。善光寺山中腹にある「サンセットパーク五色」では瀬戸内海を一望でき、ここでゆっくりと夕焼けを見ながらノスタルジックに浸るのもおすすめだ。

淡路サンセットライン(兵庫県道31号 福良江井岩屋線)

【アクセス】神戸淡路鳴門道西淡三原ICを下りてすぐ
【所在地】兵庫県淡路市、洲本市、南あわじ市 24時間通行可能 通行無料 
0799-22-0742(淡路島観光協会) https://www.awajishima-kanko.jp

③但馬漁火ライン(一般国道178号・兵庫県道11号 香美久美浜線など)

日本海に面した兵庫県但馬地方の日本海岸沿いを走る道は、起伏に富むリアス式海岸の絶景が連なる人気ドライブルート。6月から10月にかけて夜の海にイカ釣り漁船の漁火(いさりび)が灯ることから、周辺道路に「但馬漁火ライン」の愛称が付けられている。

ユネスコの世界ジオパークにも認定されている香住海岸には見所がいっぱい。

JR山陰本線の「鎧駅」から見下ろす鎧漁港。どこまでも続く青い海と空、ノスタルジックな漁村の風景は一見の価値ありだ。
香住町にある「今子浦海岸」は、千畳敷と呼ばれる岩礁と白砂の砂浜が隣り合う入江。千畳敷の沖にはかえるのようにも見える巨岩「かえる島」が佇んでいる。
漁火ラインが走る香住海岸は、断崖絶壁の荒々しい入江や白砂の美しい砂浜など、バリエーションに富んだ海の風景が連続する。
日本海のリアス式海岸を走る道。遠く広がる水平線を借景に巨岩・奇岩がゴロゴロとそびえるワインディング・ロード。
香住町はカニの街としても有名。香住漁港で水揚げされるベニズワイガニだけは「香住ガニ」と呼ばれ、身が詰まって甘味が強く、美味しいと人気。

ルートはワインディングの連続。カーブを曲がるたびに穏やかな砂浜や荒々しい洞門・洞窟・奇岩などが織りなす雄大な景色が目の前に広がる。ユネスコの世界ジオパークにも認定されている海岸一帯には「今子浦」「竹野浜」「かえる島」「鎧の袖」などの名所が目白押しだ。

天空の歩道から眺める日本海の絶景に感動!「空の駅」へ。

日本海をバックに橋梁を渡るR山陰本線の列車。現在架けられている「余部橋梁」は2代目。かつてここには鉄製の「余部鉄橋」が架かっていた。
国道178号沿いの「道の駅 あまるべ」があるのは、JR山陰本線の「余部橋梁」の直下。橋梁の高さは約41mあり、2010年に完成した。
明治45年の完成から現在の橋梁が出来上がるまで約100年間にわたりJR山陰本線の運行を支えた「余部鉄橋」の一部が保存・展示されている。
現在の橋梁の完成とともに撤去された「余部鉄橋」は、西側の3本の橋脚がそのままの形で保存されている。周辺には芝生公園もある。
高さ41mの展望デッキまでラクラク上がれるエレベーターの「余部クリスタルタワー」がそびえ立っている。
現存する「余部鉄橋」は「空の駅」として無料開放され、空中の遊歩道を歩くことができる。ここから眺める日本海の景色は格別だ。
橋の付け替えにより廃線になったレールもそのままの形で保存され、実際に歩くこともできる。JR山陰本線の「餘部駅」とも隣接しており、空の駅のすぐ横を列車が通り過ぎていく。

国道178号を西に走り、明治時代末期に東洋一の橋梁として建設された山陰本線「旧余部鉄橋」の橋脚が残る「空の駅」にも足を延ばしたい。かつては列車が走っていた高さ41mの橋梁上から、レトロな風情漂う、小さな海辺の街の景色を見下ろすことができる。

空の駅 あまるべについて詳しくはこちら

但馬漁火ライン(一般国道178号・兵庫県道11号 香美久美浜線など)

【アクセス】山陰近畿道香住ICから約2km(香美町香住区付近)
【所在地】兵庫県美方郡新温泉町、香美町、豊岡市 24時間通行可能 通行無料 
【問い合わせ】0796-36-3355(香美町観光商工課) https://www.town.mikata-kami.lg.jp

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