「百名山」「百名勝」「百名瀑」…日本全国に多彩なジャンルの百傑が存在する中、「日本百名道」「日本の道100選」といった道のベスト100も存在することをご存じだろうか。瀬戸内の各県にも「名道」の称号にふさわしい珠玉の道が数多く走っている。香川県にも一度は訪れてみたい美しい名道がいくつも存在。今回は、風光明媚な瀬戸内海の風景を間近に楽しめる香川県の絶景シーサイド・ルート2路線を走ってみた。
<取材・写真・文/鎌田 剛史>
目次
①丸亀詫間豊浜線・紫雲出山線(香川県道21号・234号)
ツノのような形で瀬戸内海に突き出している香川県西部の庄内半島には、米国ニューヨーク・タイムズ誌に「瀬戸内の顔」として掲載された「紫雲出山」や、日本のウユニ塩湖とも称される「父母ヶ浜」をはじめとするフォトジェニック・スポットが多数存在。近年は国内外から大勢の人々が訪れる人気観光名所になっている。この半島の西側を走っている県道21・234号は、ゆるやかなワインディングが続く海沿いの道で、潮の香りを感じながらのドライブには最適なルートだ。
海・島・空・花が美しい半島をぐるり周回。~香川県道234号~
眼前にはキラキラと輝く燧灘(ひうちなだ)が広がる絶景が続く。沿道に咲く四季折々の花も美しい。道中にある港町の小さな集落や、たわわに実ったみかん畑など、瀬戸内らしい風景にも心癒やされる。庄内半島の北側には、一面に広がる花畑と瀬戸内海の景色が美しいコントラストを織りなす「フラワーパーク浦島」があり、四季を通じてさまざまな花が咲き誇る。
“瀬戸内の顔”として世界中に発信された紫雲出山で絶景を堪能。
庄内半島の定番スポットとなっている紫雲出山(しうでやま)。この山名は庄内半島に根付く浦島太郎伝説に由来するといわれ、竜宮城から帰ってきた浦島太郎が玉手箱を開けた際に出てきた白い煙が、紫の雲となってたなびいたことから紫雲出山と名付けられたのだとか。山頂付近の駐車場から遊歩道を上り展望台に着くと、瀬戸内海の大パノラマがお出迎え。備讃瀬戸のたくさんの島々はもちろん、対岸の中国地方まで一気に見渡せる。
紫雲出山について詳しくはこちら
豊かな自然が生み出す絶景スポットがいっぱい。~香川県道21号~
南米ボリビアの「ウユニ塩湖」のような、水鏡のフォトジェニックな写真が撮れると話題の「父母ヶ浜」は、ぜひとも訪れたいスポット。夕焼けの茜色の空が水面に映り、ビーチ一帯がオレンジ色に染まる光景は「瀬戸内の天空鏡」とも呼ばれ、その美しさは誰もが感嘆する絶景だ。また「父母ヶ浜」と並び、映えるスポットとして人気を集めているのが、半島南部にある観音寺市の稲積山山頂に佇む「高屋神社」。麓の下宮から山頂の本宮まで延びる長い階段を上り切った所に立つ「天空の鳥居」から眼下を望む景色は一見の価値ありだ。
高屋神社について詳しくはこちら
父母ヶ浜について詳しくはこちら
丸亀詫間豊浜線・紫雲出山線(香川県道21号・234号)
【アクセス】高松道三豊鳥坂ICから県道220・23・232号経由で約20km
【所在地】香川県三豊市詫間町など 24時間通行可能 通行無料
【問い合わせ】0875-56-5880(三豊市観光交流局) https://www.mitoyo-kanko.com
②高松王越坂出線(香川県道16号)
香川県高松市と坂出市にまたがる五色台の麓を走る海岸線道路。決してメジャーではないが、風光明媚な備讃瀬戸を間近に望める、知る人ぞ知る絶景ドライブルートだ。
備讃瀬戸の穏やかな景色を望む爽快ワインディング・ロード。
路線は海岸線に沿って延びるワインディングロード。高松市と坂出市の境にある「大崎ノ鼻」からは、ピラミッド型の2つの無人島の大槌・小槌をはじめ、備讃瀬戸の美しい景色を堪能できる。
香川でも指折りの夕日スポット「大屋富海岸」「相模坊」。
「大屋冨(おおやぶ)海岸」「相模坊(さがみぼう)」付近から眺める夕日は格別。沈む太陽をバックに瀬戸大橋のシルエットが浮かび、休日の夕暮れ時になると、沿道には車を停めて夕焼けを見つめるカップルや親子連れ、カメラを携えた写真愛好家らがずらりと並ぶ。
高松王越坂出線(香川県道16号)
【アクセス】高松道高松西ICから県道176・16号経由で約15km
【所在地】香川県高松市亀水町、坂出市王越町など 24時間通行可能 通行無料
0877-45-1122(坂出市観光案内所) https://www.sakaide-kankou.net
【番外編】鳴門スカイライン(徳島県道183号 亀浦港櫛木線)
香川県の東端・東かがわ市のお隣、徳島県鳴門市の「鳴門スカイライン」もドライブに最適なルート。同市の「鳴門公園」から、大毛島、島田島の山間部を縫って走る全長約8kmのドライブウェイ。
アップダウン、ヘアピン、ストレートが交互に現れる、走りごたえ満点の快走路。
路線は、渦潮で知られる鳴門海峡にも匹敵する急流の堀越海峡と、真っ赤な橋とのコントラストが美しい小鳴門海峡を横断。カキの筏が浮かぶ風光明媚なウチノ海や、道中に架かる橋からの眺めなど、変化に富んだ絶景に出会える。
ドライブウェイのハイライトは、瀬戸内の絶景を拝める「四方見展望台」。
この道のハイライトともいえる「四方見橋」からの展望は格別で、穏やかなウチノ海から大鳴門橋までを一気に見渡せるダイナミックな展望が開けている。ドライブの腹ごしらえは、隣りの香川県の讃岐うどんとは様相が異なる地元名物の「鳴ちゅるうどん」を味わいたい。
鳴門スカイライン(徳島県道183号 亀浦港櫛木線)
【アクセス】神戸淡路鳴門道鳴門北ICから県道11号経由で約3km
【所在地】徳島県鳴門市鳴門町 24時間通行可能 通行無料
088-684-1157(鳴門市観光振興課) http://www.city.naruto.tokushima.jp
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