「百名山」「百名勝」「百名瀑」…日本全国に多彩なジャンルの百傑が存在する中、「日本百名道」「日本の道100選」といった道のベスト100も存在することをご存じだろうか。瀬戸内の各県にも「名道」の称号にふさわしい珠玉の道が数多く走っている。愛媛県にも一度は訪れてみたい美しい名道が存在。今回は風光明媚な瀬戸内海の風景を間近に楽しめる愛媛県の絶景シーサイド・ルート4路線を走ってみた。
<取材・写真・文/鎌田 剛史>
目次
①佐田岬メロディーライン(一般国道197号)
日本で最も細長い半島として知られる愛媛県の佐田岬半島を走る国道197号は、「メロディーライン」と呼ばれている。半島の中央線上の尾根伝いを貫く道路で、左右眼下には宇和海、瀬戸内海の美しい景色が広がる。
日本で最も細い半島を走る見晴らし抜群のドライブ・ロード。
道中には、自動車のタイヤの接地音が旋律となって車内に流れるメロディー道路が存在。「みかんの花咲く丘」「瀬戸の花嫁」「うみ」の3曲がメロディーを奏でる。沿線には2つの道の駅や、風力発電の巨大な風車が立ち並ぶ「せと風の丘」など見どころも満載だ。
四国の最西端「佐田岬灯台」へ。
メロディーライン終点の三崎地区から、道はそのまま県道256号に接続している。曲がりくねった道を約15km走れば四国最西端・佐田岬灯台の駐車場にたどり着く。
佐田岬メロディーライン(一般国道197号)
【アクセス】松山道大洲ICから国道56・197号経由で約26km
【所在地】愛媛県八幡浜市~西宇和郡伊方町 24時間通行可能 通行無料
【問い合わせ】0894-54-2225(佐田岬ツーリズム協会) https://www.sadamisaki.com
②夕やけこやけライン(一般国道378号)
愛媛県伊予市双海町から大洲市長浜町にかけての国道378号は、水平線に沈む美しい夕日を眺めながらドライブを楽しめるルートで、「夕やけこやけライン」の愛称で親しまれている。ルートの大半が青々と広がる伊予灘沿いを走っており、アップダウンが少なく走行しやすい。
沿線にはカップルにおすすめのロマンチックな観光スポットも。
旅情あふれるローカル線のJR予讃線が並走しており、日本で最も海に近い駅と称されるJR下灘駅も立ち寄りたいスポットだ。道中にある「道の駅ふたみ」に併設する「ふたみシーサイド公園」は、「日本の夕陽百選」に選ばれている絶景スポット。海に突き出た恋人岬をはじめ、願い石や幸せの鐘などもあり、「恋人の聖地」として人気を集めている。
夕やけこやけライン(一般国道378号)
【アクセス】松山道伊予ICから国道56号・378号経由で約5km
【所在地】愛媛県伊予市双海町~大洲市長浜 24時間通行可能 通行無料
【問い合わせ】089-986-0522(道の駅 ふたみ) https://www.futamiseaside.com
③今治・道後 はまかぜ海道(一般国道196号)
愛媛県今治市と松山市を結ぶ国道196号は、美しい瀬戸内海を横目にドライブが楽しめる海岸沿いの道。近年は「今治・道後はまかぜ海道」の愛称でサイクリングコースとしても人気で、今治市のしまなみ海道からこの道へ訪れるサイクリストも多い。
心地良い潮風を感じながら疾走する海岸線。
昼はキラキラ輝く青い海、夕刻は夕陽に染まったオレンジ色の海など、時間帯によって異なる瀬戸内海の表情を見られるのも魅力。ルート沿線には、海水浴のメッカで道の駅もある長浜海岸をはじめ、野生の鹿が生息する鹿島、花崗岩の巨石群・白石の鼻、伝説のドラマ「東京ラブストーリー」最終回のロケ地となった伊予鉄道の梅津寺駅など、立ち寄りたい場所も多い。
今治・道後 はまかぜ海道(一般国道196号)
【アクセス】松山道松山ICから松山外環状道路・松山環状線経由で約13km
【所在地】愛媛県松山市平田町、今治市菊間町など 24時間通行可能 通行無料
【問い合わせ】089-911-7700(道の駅 風早の郷 風和里) http://www.fuwari.or.jp
④ゆめしま海道(愛媛県道338号 岩城弓削線)
瀬戸内の穏やかな多島美を眺めながらドライブを楽しめる「ゆめしま海道」は、愛媛県上島町の4つの島を結ぶルート。弓削島、佐島、生名島、岩城島の4島を結び、2022年に全路線が一続きになった。
まずはフェリーで弓削島へ上陸。
道中には信号が1基もなく、交通量も少ないので、島の原風景ともいえる素朴な情緒を味わいながらドライブを満喫できる。全国のサイクリストからは「ミニしまなみ海道」とも呼ばれ、近年注目を集めている道でもあり、各島で借りられるレンタサイクルでのんびり走るのも楽しみ方のひとつだ。
流麗なデザインの「弓削大橋」を渡る。
弓削島から最初に渡るのが佐島。両島の間には鳥が羽を広げたような流麗なデザインの「弓削大橋」が架かっている。ルート上には起伏が少なくスムーズに走りやすい。特に橋の上からは瀬戸内ならではの素晴らしい多島美を望める。
生名島で瀬戸内の島の原風景に心癒やされる。
佐島から「生名橋」を渡って生名島へ。美しい海岸線をはじめとする島の原風景ともいえる素朴な情緒を味わいながら、シーサイド・ドライブを満喫できる。「ゆめしま海道」は全国のサイクリストから「ミニしまなみ海道」とも呼ばれており、近年にわかに注目を集めている。各島で借りられるレンタサイクルでのんびり走るのも楽しみ方のひとつだ。
ゆめしま海道(愛媛県道338号 岩城弓削線)
【アクセス】しまなみ海道で因島へ。家老渡港から弓削島行き、もしくは土生港から生名島行きのフェリーに乗船
【所在地】愛媛県越智郡上島町 24時間通行可能 通行無料
【問い合わせ】0897-77-2252(上島町産業振興課) https://www.kamijima.info/sightseeing/yumeshima-kaido
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