SETOUCHI MINKA

愛媛県・内子の歴史的町並みをぶらり散策。

GO! GO! SETOMIN GIRLS! Stroll through the Historical Streets.

古き良き風情が今も残る「伝統的建造物群保存地区(伝建地区)」。数々の歴史的建造物は観光スポットとしてもはやメジャーだが、歩き方や目の付けどころ次第でさらなる魅力をうかがい知ることができる。はては家づくりのヒントも見つかるかもしれない。瀬戸内エリア各県の伝建地区に秘められた魅力を再発見しに、あらためてゆっくりと散策してみよう。

<取材・文/鎌田 剛史 写真/船田 一徹>

この記事を書いたのは…
瀬戸内民家シリーズの雑誌表紙

瀬戸内海沿岸の岡山・広島・山口・香川・愛媛・兵庫各県で家づくりを手掛ける腕利き工務店の情報に加え、瀬戸内の自然や気候風土、歴史、文化といった、瀬戸内で暮らす魅力を発信しています。さらに詳しく>

内子町八日市護国 伝統的建造物群保存地区

愛媛県喜多郡内子町 ●種別/製蝋町 ●選定/1982年 ●面積/3.5ha

ハゼの木の実を砕いて作られる「木蝋」をご存じだろうか。江戸時代から生産されてきた工業品で、海外では「ジャパン・ワックス」とも呼ばれ、主に和ろうそくの原料としてや、力士のまげを結う「びんつけ油」などに使用されてきた。現在では木蝋の生産量はすっかり激減してしまったが、かつて木蝋生産によって繁栄した町が愛媛県にある。豊かな自然に囲まれた内子町八日市護国地区には、その栄華を今に伝える古い町並みが残っている。江戸時代にタイムスリップしたかのようなレトロな町並みをゆっくりと鑑賞しながら、古の時代に思いを馳せてみよう。

内子町八日市護国 伝統的建造物群保存地区ってどんなところ?

江戸時代後期から明治時代にかけて木蝋生産によって栄えた内子町。八日市護国地区にはその面影が今も色濃く残っており、約600mの通りに伝統的な造りの町家や豪商の屋敷が当時の姿で軒を連ねている。この地域独特の浅黄色の土壁と白漆喰が織りなすコントラストが美しい。伊予鉄南予バス・知清橋から徒歩約7分。詳しくはこちら

内子の町並み見どころ5選

①浅黄色の重厚な土壁が映える町並み。

内子の町並みには、淡い黄色の土壁が特徴の建物が見られる。この壁は地元で採れる土で塗られたもので、陽光が当たると鮮やかに輝きを放つ。町並みには電柱がなく、江戸時代末期から明治にかけて建てられた商家や町家がずらりと軒を並べており、それぞれの建物に昔ながらの特徴が残されているので統一感がある。

②木蝋生産で財をなした芳我家の栄華を物語る荘厳な大邸宅。

木蝋の生産地として、かつては国内最大規模を誇っていた内子町。木蝋生産で財を築いた立派な屋敷の豪華な装飾と佇まいが、当時の栄華を今に伝えている。その中心的存在でもあった豪商・芳我家に関連する建物も現存。「本芳我家住宅」のほか、「木蠟資料館」として公開されている「上芳我家住宅」など、歴史的価値の高い邸宅もぜひ見ておきたい。

【上芳我家住宅】
☎0893-44-2771 開館時間:9:00~16:30 入場料:大人500円、小中学生250円 ※邸内の一部は無料。
詳しくはこちら

③内子町で唯一残る和ろうそくの店

創業200年の「大森和蝋燭屋」は、現在も昔ながらの製法で和ろうそくを製造・販売している唯一の店。出迎えてくれた大森亮太郎さんは7代目だそう。

【大森和蝋燭屋】
☎0893-43-0385 詳しくはこちら

④あまりにも有名な大正時代の豪華絢爛な芝居小屋。

内子に来たならばやはり「内子座」も見ておくべき。大正天皇の即位を祝い1916年に創建された木造2階建ての瓦葺き入母屋造の本格的な芝居小屋。回り舞台や花道、桝席などが今も残り、当時の建築技術の粋が集められた豪華な建造物は一見の価値がある。

⑤町並み歩きに疲れたら道の駅でリフレッシュ。

伝建地区から少し北にある「内子フレッシュパーク からり」では、内子町で採れた新鮮な野菜や果物、それらを使ったジェラートやパンなどを販売。清らかな小田川が流れる癒しの空間で、「内子豚もろみ焼バーガー」などのご当地グルメを満喫。

【道の駅 内子フレッシュパーク からり】
☎0893-43-1122 詳しくはこちら

瀬戸内各地にある「国の伝統的建造物群保存地区」についてはこちら!

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