GO! GO! SETOMIN GIRLS! Stroll through the Historical Streets.
古き良き風情が今も残る「伝統的建造物群保存地区(伝建地区)」。数々の歴史的建造物は観光スポットとしてもはやメジャーだが、歩き方や目の付けどころ次第でさらなる魅力をうかがい知ることができる。はては家づくりのヒントも見つかるかもしれない。瀬戸内エリア各県の伝建地区に秘められた魅力を再発見しに、あらためてゆっくりと散策してみよう。
<取材・文/鎌田 剛史 写真/鈴木トヲル>
福山市鞆町 伝統的建造物群保存地区
広島県福山市 ●種別/港町 ●選定/2017年 ●面積/8.6ha
広島県福山市の南部にある沼隈半島の先端に、瀬戸内海に面した風光明媚な港町・鞆の浦がある。のどかな港町の情景が広がるこの一帯には、江戸時代の風情が薫る古い建築や神社仏閣をはじめ、昔から変わっていない情緒ある路地があちこちに張り巡らされているなど、歴史の片鱗が色濃く残るスポットだ。町中を少し歩くだけでも、忙しい日常の疲れを癒やしてくれる絶景スポットに巡り会う。心地よい潮風と太陽を全身に浴びながら、気の向くままに散策してみてはいかがだろう。
福山市鞆町 伝統的建造物群保存地区ってどんなところ?
広島県の沼隈半島先端にある鞆の浦は、江戸時代に港町として発展。石組み階段の船着き場「雁木」や「常夜燈」、築100年を超える家屋が連なる町並みなど、歴史ロマン漂う風景が残っている。数多くの映画やドラマなどの舞台・ロケ地になっているほか、宮崎駿作品「崖の上のポニョ」のモデルとなった町としても有名。JR福山駅からバスで約30分。詳しくはこちら
鞆の浦の町並み見どころ5選
①江戸時代の面影が残る「潮待ちの港」。
江戸時代から交通の要所として栄えてきた鞆の浦。東西から流れる潮がぶつかる地点がこの場所だったことから、人々には「潮待ちの港」という愛称で呼ばれたのだとか。周辺都市とは距離があるため、近代化の影響をあまり受けず独自に発展してきたといい、今でも古き良き日本の港町の雰囲気があちらこちらに残っている。軒の高さがそろえられた商家の町並みが美しい。
②「対潮楼」から眺める鞆の浦の絶景「仙酔島」。
街には多くの神社仏閣が現存している。「福禅寺」は、美しい瀬戸内海を一望できる部屋「対潮楼」が有名。「その美しさに仙人でも酔い知れる」という言い伝えからその名が付いたとされる「仙酔島」をはじめ、鞆の浦の絶景を眼下に楽しむことができる。
【海岸山千手院福禅寺】
☎084-982-2705 入館料:大人200円、中・高生150円、小学生100円
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③歴史と風格に満ちた「保命酒」の蔵元も現存。
江戸時代からこの地で造られているのが薬味酒「保命酒」。現在も数軒の蔵元が残り、その伝統的な店構えにも風情が漂う。
④昭和レトロな商店も元気に営業中。
町並みを外れ少し南へ行くと海沿いの住宅街がある。昔懐かしいパン屋やスーパーなどの商店もあり、昭和の港町を感じさせる風情が漂うエリア。心地よい潮風を浴びながらゆっくりと街歩きを。
⑤海沿いの古民家カフェで地元の幸に舌鼓。
歩き疲れたら、鞆の浦のシンボル・常夜燈の目の前にある「鞆の浦 a cafe」で休憩。平屋の古民家を改装した趣のある店内で、天然真鯛のサンドイッチや、瀬戸内レモンソーダなど、ここでしか味わえないメニューを堪能して。
【鞆の浦 a cafe】
☎084-982-0131 詳しくはこちら
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