今、国内外から熱い注目を集めるエリア「瀬戸内海」。日本でも屈指の美しさを誇るロケーションを彩るのは、約700以上もの個性豊かな島々。そこには数多くの観光スポットが存在するとともに、島に住まう人たちの穏やかな暮らしと文化が根付いている。人々が暮らす広島県の多彩な島々を紹介。
<取材・文/鎌田 剛史>
目次
- 瀬戸内海に浮かぶ広島県の有人島33
- 1.阿多田島(あたたじま)
- 2.厳島(いつくしま)
- 3.似島(にのしま)
- 4.金輪島(かなわじま)
- 5.江田島/能美島(えたじま/のうみじま)
- 6.沖野島(おきのじま)
- 7.鹿島(かしま)
- 8.倉橋島(くらはしじま)
- 9.情島(なさけじま)
- 10.下蒲刈島(しもかまがりじま)
- 11.上蒲刈島(かみかまがりじま)
- 12.斎島(いつきじま)
- 13.豊島(とよしま)
- 14.大崎下島(おおさきしもじま)
- 15.三角島(みかどじま)
- 16.大崎上島(おおさきかみじま)
- 17.大芝島(おおしばじま)
- 18.長島(ながしま)
- 19.契島(ちぎりじま)
- 20.生野島(いくのしま)
- 21.大久野島(おおくのじま)
- 22.高根島(こうねじま)
- 23.生口島(いくちじま)
- 24.佐木島(さぎじま)
- 25.小佐木島(こさぎじま)
- 26.細島(ほそじま)
- 27.岩子島(いわしじま)
- 28.因島(いんのしま)
- 29.向島(むかいじま)
- 30.百島(ももしま)
- 31.横島(よこしま)
- 32.田島(たしま)
- 33.走島(はしりじま)
- <Tips>かつて地図から消された島「大久野島」。
- 魅力と個性あふれる広島県の島へ行ってみよう。
瀬戸内海に浮かぶ広島県の有人島33
142の離島を抱える広島県。有人島は33を数え、映画やドラマの舞台になった島や、パワースポットとして人気を集める島、戦争の遺構が残る島、見る者の心をつかむ多島美など、それぞれの島ごとに違った魅力があふれている。「しまなみ海道」や「とびしま街道」をはじめ、橋で陸続きとなっている島も多い。
1.阿多田島(あたたじま)
■大竹市 ■安芸群島
■面積/2.39 ㎢
金魚のような形の島で漁業が盛ん。海上釣り堀が人気を集めるほか、「長浦海岸」「灯台資料館」「観音山の観音像」など見所も多い。
2.厳島(いつくしま)
■廿日市市 ■面積/30.33 ㎢
「安芸の宮島」として知られる国内有数の観光スポット。世界遺産の「嚴島神社」や「弥山」などに毎年大勢の観光客が訪れている。
3.似島(にのしま)
■広島市 ■面積/3.84 ㎢
かつて船荷の積み替え港として栄え「荷の島」と呼ばれていたことも。美しい山容の安芸小富士で知られ、旧日本軍の遺構が点在。
4.金輪島(かなわじま)
■広島市 ■面積/1.05 ㎢
昔から造船の島で知られ、現在も造船所の巨大クレーンが立ち並ぶ。「原爆慰霊碑」「防空壕跡」といった戦争の遺構も残っている。
5.江田島/能美島(えたじま/のうみじま)
■江田島市 ■面積/91.33㎢
旧海軍兵学校の大講堂や赤レンガの旧生徒館などが現存し、当時の面影をしのばせている。現在は海上自衛隊の教育施設などがある。
6.沖野島(おきのじま)
■江田島市 ■面積/0.75 ㎢
島北側の入り江には「沖野島マリーナ」が整備され、ヨットやトレジャーボートが並ぶ海洋レクリエーションスポットになっている。
7.鹿島(かしま)
■呉市 ■面積/2.62 ㎢
県最南端の有人島。周囲を好漁場に恵まれ昔から漁業が盛ん。急峻な山に広がる段々畑の美しさも魅力。倉橋島と橋で結ばれている。
8.倉橋島(くらはしじま)
■呉市 ■面積/69.56 ㎢
この島で遣唐使船が造られたといわれ、「長門の造船歴史館」には復元した遣唐使船などを展示。島の歴史を垣間見ることができる。
9.情島(なさけじま)
■呉市 ■安芸群島
■面積/0.69 ㎢
島の8割が山で平地が少ない。第二次世界大戦時に島沖で停泊していた軍艦日向が攻撃を受けて沈没。その慰霊碑が島の北側に立っている。
10.下蒲刈島(しもかまがりじま)
■呉市 ■面積/7.96 ㎢
本土からは「安芸灘大橋」で渡れる。公園やキャンプ場などの施設が充実しており、瀬戸内海の眺望を楽しめる観光スポットにもなっている。
11.上蒲刈島(かみかまがりじま)
■呉市 ■面積/18.79 ㎢
下蒲刈島と「蒲刈大橋」で結ばれ、車で渡れる。天体観測ドームや農業体験施設など、家族で楽しめる施設・スポットが豊富。
12.斎島(いつきじま)
■呉市 ■下大崎群島
■面積/0.7 ㎢
下大崎群島の南端。古くから「神の宿る島」として信仰を集める島で、「蛭児(ひるこ)神社」や、平らな磯が現れる「真名板海岸」がある。
13.豊島(とよしま)
■呉市 ■面積/5.64 ㎢
島伝いに走る「安芸灘とびしま海道」により本土と陸路で結ばれている。渡り鳥のアビの飛来地としても知られるが、アビの数は減少している。
14.大崎下島(おおさきしもじま)
■呉市 ■面積/17.37 ㎢
温暖な気候から農業が盛んで、「大長みかん」の産地。国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている「御手洗の町並み」がある。
15.三角島(みかどじま)
■呉市 ■下大崎群島
■面積/0.78 ㎢
東側に港と集落、南側に造船所があり、山の斜面にはミカンやレモンなどの畑が広がる。好漁場としても知られ、訪れる釣り人も多い。
16.大崎上島(おおさきかみじま)
■大崎上島町 ■上大崎群島 ■面積/38.27 ㎢
かつては潮待ちで寄港する船も多く、海運・造船で栄え、製塩の島としても知られた。近年は柑橘類の栽培が島の産業を支えている。
17.大芝島(おおしばじま)
■東広島市
■面積/1.69 ㎢
島の中央にあるハウス団地は、品質の良さに定評がある「安芸津ビワ」の栽培地。島の南に浮かぶ小芝島はハート型の島として人気。
18.長島(ながしま)
■大崎上島町 ■上大崎群島
■面積/1.04 ㎢
「中国電力大崎発電所」があり、高さ約200mの煙突が島のシンボル的存在。海釣り公園「マリンパークおおさき」は家族連れに人気。
19.契島(ちぎりじま)
■大崎上島町
■面積/0.09 ㎢
島内には工場設備が立ち並び、その姿から「軍艦島」とも呼ばれる。企業所有地のため、関係者以外は自由に立ち入ることができない。
20.生野島(いくのしま)
■大崎上島町 ■上大崎群島
■面積/2.25 ㎢
島内からは縄文土器や古墳などが発見され、「福浦古墳」は町文化財に指定されている。春は約600本のソメイヨシノが島を美しく彩る。
21.大久野島(おおくのじま)
■竹原市 ■面積/0.7 ㎢
温泉、テニスコート、キャンプ場、海水浴場、島を1周する散策コースなど、レクリエーション施設が豊富。ウサギが多い島としても有名。
22.高根島(こうねじま)
■尾道市 ■面積/5.6 ㎢
「しまなみ海道」が走る生口島と橋で結ばれている。北端の押崎鼻にある高根島灯台は、明治時代に建造された石造りの灯台。
23.生口島(いくちじま)
■尾道市
■面積/31.21 ㎢
温暖な気候で柑橘類の栽培が盛んな島。画家・平山郁夫の生誕地で、美術館や彫刻作品など、近年はアートの島としても注目を集めている。
24.佐木島(さぎじま)
■三原市 ■芸備群島
■面積/8.71 ㎢
海水浴が楽しめる白砂の浜や磯釣りポイントが点在。毎年8月にはトライアスロン大会が開催され、全国からアスリートが集結する。
25.小佐木島(こさぎじま)
■三原市 ■芸備群島
■面積/0.5 ㎢
佐木島の北に浮かぶ小島。大正から昭和にかけて造船業で栄えたが、現在は過疎化が進む。白亜の石造りの小佐木島灯台がある。
26.細島(ほそじま)
■尾道市 ■芸備群島
■面積/0.76 ㎢
因島の北西に浮かぶ小島。主幹産業は農業で、ミカンやスイカなどを栽培。島内から古墳や古代の製塩遺跡が発見されている。
27.岩子島(いわしじま)
■尾道市 ■面積/2.45 ㎢
国内でも有数のワケギ産地として知られる。風光明媚な瀬戸内海を望む美しいロケーションから、数々の映画撮影の舞台となった。
28.因島(いんのしま)
■尾道市
■面積/35.04 ㎢
かつて村上水軍が拠点とした島。「水軍城」をはじめ、「大浜崎灯台」「フラワーセンター」「しまなみビーチ」など、観光スポットが多い。
29.向島(むかいじま)
■尾道市
■面積/22.22 ㎢
「しまなみ海道」が走る島の中でも人気が高く、美しい花々が咲き誇る「花の島」としても有名。レトロな雰囲気が漂う町並みも魅力。
30.百島(ももしま)
■尾道市 ■備後群島
■面積/3.08 ㎢
備後灘に浮かぶのどかな島。桃の木が多く「桃島」と呼ばれていたが、縁起の良い「百」に字が改められたのが島名の由来だとか。
31.横島(よこしま)
■福山市 ■面積/4.06 ㎢
田島と陸橋で結ばれている。瀬戸内海の絶景を望む切石山や、美しい白砂の横山海岸、ドルフィンビーチは人気ドライブスポット。
32.田島(たしま)
■福山市 ■面積/8.62 ㎢
名勝・鞆の浦がある沼隈半島と「内海大橋」でつながっている。クレセントビーチや白壁の家並み、「皇森神社のムクノキ」など見所多数。
33.走島(はしりじま)
■福山市 ■走島群島
■面積/2.13㎢
鞆の浦の南東約6kmに位置する。昔から漁業が盛んな島で、現在は海苔の養殖やイワシ漁などが主産業。釣り人も多く訪れている。
<Tips>かつて地図から消された島「大久野島」。
竹原市の忠海港から船で約15分の沖合に浮かぶ「大久野島」には、かつて日本陸軍の施設が存在していた。極秘で化学兵器が作られ、その存在を隠すために地図から島が抹消されたという歴史がある。第二次世界大戦後の1947年に地図に復活。現在、島への出入りは自由。大量繁殖したウサギが元気に走り回っている。
魅力と個性あふれる広島県の島へ行ってみよう。
広島県にはのどかな島時間が流れる魅力的な島がいっぱい。 実際に足を運び、瀬戸内の素晴らしい気候風土や、島に住む人の営み・文化などに触れながら、瀬戸内ならではのLiving with Natureを体感しよう。
橋が架かり自動車で気軽に渡れる離島もあるが、フェリーや定期船などでしか渡ることができない離島も多いので、 帰りの便の出航時間をあらかじめ確認して行動予定を立てよう。また、地元の人たちの生活区域であるため、街などを散策する際にはくれぐれもマナーを守って歩くことも大切。さらに、飲食店や商店、自動販売機のない島もあるので、飲食物を持参する際には事前に購入しておくことも忘れずに。
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